ボルドーと焼き鳥

昨晩の忘年飲み会、ワインと焼き鳥のマッチングがこんなに良いのかと驚いた。ボルドーは種類も多く、等級も多岐にわたり、選別眼を磨きに磨いても、なかなか奥が深いところがあるが、高価でなくても美味しいものがあるなあ、とか、こういう料理とのマッチングがあるのだ、ということ、いろいろ知ることにもなった。

新たな味の出会い:
シャトー・リシュリュー 2004(赤、フロンサック、MR55%, CF45%)・・・すごく重く厚いメルロー。土臭い(石灰)。とてもおいしい。つくねと合う。
シャトー・ペイ・ラ・ツール・レゼルヴ・デュ・シャトー 2006(赤、ボルドー・シュペリウール、MR90%、CS7%, PV[プチ・ヴェルド]3%)・・・カベルネか?と思うほど。メルローなのにこんなに重厚とは!土ぼこりの香り。
エミリオ・ロゼ 2006(ロゼ、サンテミリオン、MR70%, CF30%)・・・ボルドーのロゼは初めて。イタリアのような味。鶏肉のパテとの相性がとても良い。エチケットはサイケ調で、ふつう選ぶのに躊躇するような感じだが美味い。
キュヴェ・ロワイヤル・クレマン・ボルドー NV(スパークリング、SM[セミヨン]70%, ML[ミュスカデル]30%)・・・ほどよい酸味のさわやかさ。ちょっと甘味はあるが、いやみは無い。シャンパーニュではないけど、合格。

旧知との再会:
シャトー・ボーモン 2006(赤、オーメドック、CS62%, MR30%, CF5%, PV3%)・・・いわずもがなの美味。しぶい。やっぱりボーモン。このワインのコルクの香りはお菓子のように甘く独特なものがあります。

そして二次会と三次会へ。シャンパーニュ、ピエール・カロのブラン・ド・ブラン(RM, コート・デ・ブラン地区アヴィーズ村)。〆にタンカレーのNo.10とゴードンで、それぞれジン&トニック。

お酒を飲み、話をしつつも、さまざまな視点をもつこと、社会を知ること、そして、人との出会いも大切にしながら変化変革をめざし、また、周囲をも巻き込んでいくことについて、改めて意を高めた時間だった。
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# by k_hankichi | 2009-12-20 21:17 | | Trackback | Comments(0)

「ウエハースの椅子」

江國香織さんの小説からはかなり遠ざかっていたが、スッと入る世界があった。新潮文庫。

恋することが絶望につなっていることを感じ、そこにたえきれずいた「私」。

淋しいきもちというものが、いかに「淋しい」のか、ということが、鈍感な人間にはなかなか分からなかったが、江國さんのこの小説を読み終えるとそれが塊になって降りてくる。二人の時間の幸福と、不在の時の空白さ。待つ身であることを考えれば考えるほど淋しさがつのり、そして絶望を見るのだ。

この小説。最近のこのひとの作品(僕は読んだことはないが寄せ付け難いらしい)とは異質だろうなと思った。素直な気持ちがあらわれている。そして、その心のこまかな震えやゆれうごきがとても精緻にあらわされている。ウエハースで作られた椅子のように、もろく、かすかで、あつかいががさつだと、あっという間に粉々になってしまいそうな状態。そういう状況気持ちをとても自然にあらわしている。

僕はこれは、江國さんの小説のなかのベストなのではと思う。

結びは、西脇順三郎が詠んだような、シチリアのカプリ笛の音が、たおやかに聴こえてくるような気がする。

僕はハッピーエンドが好きだ。

ウエハースの椅子 (新潮文庫)

江國 香織 / 新潮社


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# by k_hankichi | 2009-12-19 17:44 | | Trackback | Comments(0)

芋焼酎をお湯割で

10年以上前は、焼酎といえば、お湯割りだった。そのころ鹿児島の国分にある事業所に長期出張していたが、仕事のあと夜遅くによく訪れたのが、「つかさ」というおでん屋さん。おでんが絶品だけでなく、お湯割りも素晴らしかった。座敷のテーブルの上にやかんが置いてあって、そのなかにお湯割りが入っている。いくら飲んでも500円だった。芋くさい焼酎、本当においしかった。

この冬から、それを復活させた。家飲み。

近所のスーパーで売っている「五代」。薩摩川内市の山元酒造。五号瓶なのだがとても安価。それでいて、お湯割りにすると、芋のあまい香りに満たされ、鼻の奥の奥まで芳醇になる。非常なお薦めである。

そして、日置市の「薩摩宝山」。事件で世間をにぎわした西酒造。これは辛口である。試してみたが、お湯割りはぜんぜん旨くない。富乃宝山、吉兆宝山、白天宝山、などあるが、HPをみても、ロックをお薦めという感じである。やはり、いまふうの焼酎なのですね。

もうひとつは、「さつまの海」。鹿屋市の大海酒造。これは、香りにえぐみが少し加わる。複雑な味。お湯割りではなくロック系か。

一方の外飲み。

いきなり極め付けに巡りあった。水曜日の会社の宴会で、伊佐市・甲斐商店の伊佐美。お店で飲んだことはなく、昔の上司の家くらいでしか飲めなかったのだが、この店、気前が良いことに、飲み放題リストに入っており、お湯割りを堪能。いちばんうまかった~。

今年の冬は、お湯割り道を極めよう。
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# by k_hankichi | 2009-12-19 11:49 | | Trackback | Comments(2)

「職場は感情で変わる」

高橋克徳著、講談社現代親書。前著「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」の展開版。

いろいろこういう本を読み、考えて、少しずつ実行していますが、ああ、まだまだ足りていない、と、果てしなさを感じる。そして、しっかりしないとね…、とつぶやいてみる。

生き生きしたよい職場の実例も、いくつか紹介されている。読んでまずリアクションしてしまうのは、「まあ、うちんとこは、そこそこさなぁ」、と、エイヤと『良マーク』を押してみてしまうこと。押してしばらくしてみて、おお、自己中なことに気付く。考えていくとやっかいだから、そうしてしまっているのだ。

改めて思う。人と人のつながりのよい面を、きちんと見やりながら、チームを形成していく、職場を形成していく、社会を形成していく、その”姿勢”が大切なのだ、継続なのだ、と。・・・信念、である。

また、その半面思う。この姿勢を貫くことは、えらく疲れることだ。できれば、成り行きに任せて、メンバーに任せてだらんとしていたい。そして、時折「ああ、これじゃいかん」と気づいて、職場の仲間と酒飲みながら、愚痴のひとつもこぼしあい、「でもな、がんばろうな、明日から。これを変えられるのは俺たちしか居ないんだから。何でもいってくれよ。連携して仲良くして、創り上げてこうぜい。」、て語りうなづき、アカルサヲトリモドシテイクのだ。

この本、つまりは人が社会で機能するための書である。教科書でもある。良い行いとは?人の役にたち協調性をもつとは?あらたな創造性につなげて発展させていくにはなにが大切か?ということを改めて説いている。信念といったが、宗教といってもよいだろう。だから、これを時折読み、こころに照らし、できていないところをできるようにしていくべきものなのだ。

いずれにせよ、この著者の学者としての努力の姿勢に敬服する。仕事としてこれを念じ、みなに説きつづけることに敬服する。でも一方で思う。学者として、そう振舞っていることに疲れている一面もあるのではないか、と。そうあってほしい。そのほうが人間らしい。

追伸:
感心したところ。バーナードという人の近代組織論が、引用されています。こういうことはたいそう納得する。
「組織として成り立つには、①共通目的、②協働意欲、③コミュニケーションの三つの要素が必要だ。」
「同時にこの定義の中に、感情という概念が取り込まれていることもわかります。…組織が成り立つためには、感情が引き出され、交換され、共有されることが必要。」
「人間は認知能力に限界があるため完全な情報をもとに最適な行動を起こすことはできない、制限された合理性のなかで満足化行動をとる存在。」

職場は感情で変わる (講談社現代新書)

高橋 克徳 / 講談社


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# by k_hankichi | 2009-12-19 10:47 | | Trackback | Comments(2)

川上未映子さんの日記本をなんとか読んだ。講談社文庫。このひとのブログ「未映子の純粋悲性批判」の2003年から3年間ほどの分をそのまま本にしたものだそうで、こりゃ、何と奇妙奇天烈な、でも痛快であっけらかんな日々の気持ちと記録の羅列か、というシロモノである。

とても、不可思議な記憶と感覚の連続で、じっくりと文字を追い続けていると、こっちは錯乱状態になりそうになる。でも、憎めない文章。うまいのである。詩的でもある。こんなに、制約もなく奔放に書き綴ることができるということもみるにつけ、やはり、天賦の才があるのだなあ、と思う(おやじは負けだ、と思う)。

かと思えば、次のような真面目な記載をしている日もあり、妙に同感したりした。

『「怒れる」というのは、自分が絶対に正しいと思い込んでいる証拠なのだからして、そんな習慣の絶え間なく爆発してゆく世間の狭間でこそ、呵呵と笑える人間に成れればこの世はどれほど自分にとって有効利用出来る場であるか、往来の癇癪もちの私には想像もつかない。』

詩や小説を書くとても前の時期の文章ということで、この人の過去を密かに裏返して眺めて見ているような感覚になり、ちょっと ふふふという感じに思う。

独特の文体に、毒気を抜かれた。

そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります (講談社文庫)

川上 未映子 / 講談社


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# by k_hankichi | 2009-12-18 00:14 | | Trackback(1) | Comments(1)