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カテゴリ:一般( 276 )

まるければ何でも良いわけではない

友人が、「まるければ何でも良いのだね」と指摘されてぐうの音も出なくなったことがある。

しかしよく考えてみればそれは少し違っていて、「そこから放たれるそこはかとない波に恍惚となる」という感じだと思う。

そのときは魔術を掛けられたようになっている。心身は固まって溶け入るような気分になっている。背骨は硬直してまっくすぐになりしかしその中身はふやけている。つまり自分ではコントロールが出来ない呪縛状態となって動けなくなる。

「あこがれ」「希求」

イメージとしてはそういう類いのことばが目の前に重なって浮かんでいる。

そういうときの僕は外から見てもわかるらしい。でも自分自身がどんな風情になっているかは不明だ。


◼️写真はそれとは対極的な光景。
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by k_hankichi | 2019-07-11 07:26 | 一般 | Trackback | Comments(2)

欲求の呪縛から逃れなければならない

友人が書いていた高橋源一郎さんのコラムのことを思い出していた。自分にも心当たりがあるからだ。

マズローの「承認欲求」のひとつなのかもしれないと感じた。これに嵌り込んだ自分の惨めさ、空虚さを味わうことの痛々しさ苦々しさを思い出した。そしてそのこと自体がいくら求めても際限のないものなのだとも感じていて、それが分かっていても求めてしまうもどかしさに苛ついてもいた。

認められることを念じながらいくつもいくつも努力して、生きて、生きて、顧みられずに挫折する。まるで小説の題材のよう。

人は、何を、誰に、どのように認められたいのか。

ビルディングの真ん中に空いた穴でさえ自分のことのように感じてしまう。

マズローの欲求という呪縛から逃れなければならない。


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by k_hankichi | 2019-02-27 07:39 | 一般 | Trackback | Comments(2)

『がん見』注意報を自己解除(したい)

先だってのこと、久しぶりに友人と会えて、日本橋で酒を飲んだ。お互いに慌ただしいスケジュールだったので酌み交わせたのは短い時間だったが、それでも本や音楽、映画から昔話、世の中の出来事から女優談義まで話に花が咲く。

お酒やら料理やらが運ばれてきても話は途切れることはない。

と書こうと思ったが、僕が話している途中で、「ちょっと、見すぎやん」と水をさされてしまった。

「えっ?なに?見てるの、僕?」
「見てる見てる、料理持ってきたあの人のこと見過ぎてる」
「見てないよ!ていうかもう向こうに行っちゃったじゃん」
「見てるやん、あーた、がん見してるぞぉ」
「がん見?・・・してないしてない。見るはずがない」
「気づいてないだけだよ、だいたい興味をもったんだろ」
「・・・」(たしかにそうだな)

おかしーなあ。なんでかなあ。見ているとは思ってないんだけどなあ。

どうも僕は何かをしながらでも、興味を持った対象を知らずうちにずっと凝視?しているらしい。そしてそれに気づいていないらしい。

とても恥ずかしい。恥ずかしいから相手に釈明したくなる。しかしどう説明すればよいのか?

「がん見していたようで、どうもあいすみません。」
「すみません、他意はありません。」

いや、まてよ。そもそも、だいたいにおいて、相手はその僕がやっているというところの「がん見」とやらに、気がついているのか?

そして見つめることは罪なのか。見てはならないとしたら道を渡る時にも車に跳ねられてしまう。

そうしてようやく自己帰結した。

「がん見」は罪ではない。安心安全の源なのだ。良いことなのだ。注意報は解除だ(としたい)。


■こういう記事は『がん見』しなければ。その裏にある、はかりごとも見定めよう。
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by k_hankichi | 2019-02-01 00:05 | 一般 | Trackback | Comments(3)

ポータブルCDプレイヤーの幸い

外出時に欠かせないのがウォークマンなのだけれど、CDを買い求めるたびにパソコンに取り込んで転送するのが面倒だ。面倒などころかそういうことをしている手間や時間がない。

もちろんネットワークから随時聴いたりダウンロードしたりというやりざまも周りから勧められる。しかし元来がLPレコード派だった人間にとって、ライナーノーツを片手に聴き入ることは大切で、興趣が湧くというのはそういうこと。

そんなこんなで秋葉原に出かけた。繁盛ぶりは想像を超えていて、なるほどこういう雰囲気は海外からの旅行者たちも魅入るだろうと思った。

さて、買い求めたのは携帯型🎵CDプレイヤー。5000円ちょっとで手にすることができた。音質もまあまあで、そして振動で音盤が読み取れなくても100秒間は音飛びを防止する機構が付いている。そしてもちろん、出先だろうとどこであろうと、手に入れた音盤を直ぐさまに聴けるのが何よりも便利だ。

まだまだ盛りが続くこの夏に、幾ばくかの楽しみを加えてくれることだろう。

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by k_hankichi | 2018-07-15 09:04 | 一般 | Trackback | Comments(3)

幽霊は居ない

いつのことからか、夜の丁度寝る前の時間帯に、家の一室の照明が勝手に灯るようになった。そして気づかぬうちに、それはやがて消えている。

家人は、私が毎晩その部屋の照明を点けて明日の準備やら探しものをしたあと、そのまま消さずに寝室に向かっているのだと思っているらしく、点いていると消していた。

会話はこうなる。

「あなた、また電気点けっぱなしにして寝たでしょ」
「しらない」

翌日。

「あなた、また電気点けっぱなしにして寝たでしょ」
「おばけじゃない?」

さらに翌日。

「あなた、また電気点けっぱなしにして寝たでしょ」
「僕じゃない。そっちがあっちのドアをバタンと閉めたからその衝撃で点くんじゃないか?」

「あなた、また電気点けっぱなしにして寝たでしょ」
「どろぼうが入ったのかな?」

引っ越しをしてから一年以上が経ているから、家の大抵のことは片が付いていたけれど、この件だけは、ついと分からなかった。

一昨日、部屋の電気のスイッチをまじまじと眺めて見た。初めて眺めているなあと思った。

そして気づいた。

『入/切 タイマー』

えええっ!この照明、タイマー設定が出来るんかぁ!?

よく見たら、まさにあの時間になったら点灯する設定になっていて、また、或る時間になると自動で消えるようにもなっていた。照明ごときを、と侮っていた。

『ご使用前には必ず「取扱説明書」をよくお読みください。』

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by k_hankichi | 2018-04-26 06:41 | 一般 | Trackback | Comments(3)

新たな旅の始まりの朝

三月四月は卒業と出発の月。家人の一人もコンクリートの籠の中に移り住んだ。引っ越しを手伝って手を振って遠くまで見る。寂しさが自然と湧いてくる。

家に戻って空っぽになった部屋を眺める。杉村春子のように勢いつけてぐるっと回る気力も無でない。笠智衆の気持ちがよく分かる。

「皮を剥きポトリと落とす林檎なり」

新たな旅立ちの記憶が刻まれた。

■サクラチル  アラタナタビノ  ハジマルアサ
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by k_hankichi | 2018-04-02 06:34 | 一般 | Trackback | Comments(3)

新天地に踏み出す

今日から九月。秋の訪れと共に少し仕事の中身が変わることになった。社会に出て三十有余年、少々のことでは動じない状態だけれども、新たな組織や人々のなかで、新たな関係を構築していく必要がある。

その世界はどんなものか未知だけれども、前に進むしかない。先輩から次のように教示された。

『他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えることはできる。しかも、幸運は準備出来ている者に訪れる。』

秋の深まりに沿って仕事も深まりゆく予感を現実にしてゆく。

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by k_hankichi | 2017-09-01 06:57 | 一般 | Trackback | Comments(4)

米寿の祝いに想う

今日は父親の米寿の祝い。親族一同(といっても僕ら兄弟のそれぞれの家族一同だけれども)が久々に一人残らず集まっての楽しい場となった。

台湾で生まれ、現地人との軋轢も経験しながら若くして自分の意思で予科練を選び、一人本土に渡った彼。

軍隊予備役での厳しい生活、戦前戦後の厳しい暮らし。苦学しながら大学を終え、東へとその生活の拠点を移してきて、そうして母と出会い、僕らが生まれ、高度経済成長のなかを馬車馬のように過ごしながら家庭を支えてきた。

仕事を引退してからようやく落ち着いた暮らしを取り戻したけれど、それもつかの間、幾つかの病いも患った。

近代医学の粋は素晴らしく、何度もの危ない状態を乗り越えて現在に至っているが、流石に寄る年波には勝てず足腰だけは弱ってきた。それでも自動車運転免許の更新をし、相変わらず精神はかくしゃくとしていて僕の母や周囲を驚かしている。

数奇な運命を辿りつつ、エンジニアというものはこういうものだ、ということを暗黙に指し示し、口数がほとんどないなか、僕ら兄弟を育てていった人のことを僕は尊敬する。

生命の長い営みのなかのつらなりの一つに過ぎないのかもしれないけれど、この繋がりが僕の現在を支えていて、だから無条件に父親のこれまでのことに感謝する。

僕らの気持ちがどれほど通じたかどうかはわからないけれど、これからももっともっと長生きをしてほしいと、深く祈念した。

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by k_hankichi | 2017-08-14 20:38 | 一般 | Trackback | Comments(4)

久しぶりに荻生徂徠訓

昨日は、会社でお世話になっている上のかたと懇親の場を持った。

ずっと違う部署だったから普段はあまり話すことがなかったのだけれど、予想外に打ち解けてしまい、あっという間に五時間が過ぎていた。その間かなり強い酒を相当な量飲んだことになるが、なぜか頭が痛くなるようなことはない。

思い返すと、このかたは非常に聡明で明朗、かつ経営手腕も素晴らしいのに、偉ぶるようなところが全くない。

久しぶりに荻生徂徠のことを思い出した。昨日の彼には出来ているように思った。僕もこういうような行動ができるようにならなくちゃあなあ。感慨を噛み締めた。

一、 人の長所を初めより知らんと求むべからず、人を用いて初めて長所の現わるるものなり。

二、 人はその長所のみを取らば、すなわち可なり。
短所を知るは要せず。

三、 おのれが好みに合う者のみを用うるなかれ。

四、 小過をとがむるなかれ。ただ事を大切になさば可なり。

五、 用うる上は信頼し、十分にゆだねるべし。

六、 上にある者、下にある者と才知を争う事なかれ。

七、 人材は必ず一癖あるものと知るべし。
ただし、その癖は器材なるがゆえに、癖を捨てるべからず。

八、 かくして、上手に人を用うれば事に適し、時に応ずる人物、必ずこれにあり。

九、 小事を気にせず、流れる雲のごとし。

■夏の上野のモニュメント
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by k_hankichi | 2017-08-10 06:12 | 一般 | Trackback | Comments(3)

ゴム管になった日

すこし気持ちが落ち着いたのでようやくこのことを書けるようになったが、今週はその中日に人間ドックを受診した。前日からの準備含めてしんどいのだけれど、今年は検査項目が一つ増えているから、なおさらきつい。

実態は「モノと化す一日」だ。

身体を、あっちから覗き、逆方向からも覗きで、考えてみれば、これはつまり自分は「一本のゴム管に過ぎない」。

管の裏/表/入り口出口の粗さや欠陥、異常成長の有無、均一性、気体・液体を入れた場合の膨らみ具合、五感センサーそれぞれの感度・性能・劣化度合い、内部を通っている各種薬液の純度やモノによってはその圧力偏差。

管にも電子機器で云うCPUに相当するものもあるのだけれど(ただし処理能力は低い)、あまりその状態についての客観的な検査は無い。気分や考えを問う、主観が入りまくる問診があるだけだ。管としては、ほんとうはその性能が気になるのだけれど、看護師や医師たちはそこに入り込むと大変なことになると分かっているのだろう、だからまるっきり近づこうとしない。ただただ物質物体の状態を調べることに専念する。

図らずも「患者様」呼ばわりされたりもするから、管としてはもしかして大切に扱われているのかしら、と思ったりもする。

いえいえ、あなたはただの管ですよ。呑気な父さん、わかりなさいよ。

隣に置いてある管も、ちょっと離れて鎮座している管も、そしてここでこうやって振り返りながら語っている管も、それぞれ具合は異なっているようだが、基本的には劣化の一途という類に漏れない。

嗚呼、ゴム管の儚さよ。劣前劣後の微差に一喜一憂する勿れ。汝、そうやって管を巻いても、しょせん単なる管なのだ。

■晴れて健全なる朝飯を食すゴム管。
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by k_hankichi | 2017-08-04 07:37 | 一般 | Trackback | Comments(2)


音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


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