カテゴリ:ポップス( 89 )

ブルースというジャンルは殆ど親しんでこなかった。そんななかクラシック音楽のソプラノ歌手、バーバラ・ヘンドリックスが歌ったブルースの音盤を手に入れて聴き始めた。

夜の帳が降り切った、漆黒の闇のなかから、粘りの強い哀しみと郷愁の叫び声が響いてくる。

馥郁たるその歌声のなかにベース、クラリネット、ドラム、ピアノが絡みついてゆく。

哀歌は情歌のようで、愛しい人への呼び声であったりもする。誰に聞かせるのでもない、ひとり口ずさむかのような、そして闇に融け入るようなその歌声。

少しずつ暖かくなってきた休日の昼下がりに、遠い大地の呼び声が聞こえてくる。

■アルバム
“Barbara sings the blues”
1. Lady Sings the Blues (レディ・シングス・ザ・ブルース) 
2. Tell Me More and More
3. Trouble in Mind
4. Don't Explain (言い訳はやめて) 
5. My Man
6. You've Been a Good Old Wagon 
7. God Bless the Child (神よめぐみを)
8. What a Little Moonlight Can Do (月光のいたずら) (instr.) 
9. Billie's Blues/I Love My Man
10. Mood Indigo 
11. Downhearted Blues
12. Allhelgonablues (instr.) 
13. Strange Fruit (奇妙な果実)
■演奏
バーバラ・ヘンドリックス、マグヌス・リングレン・クァルテット(マグヌス・リングレン[sax, fl, cl]、マティアス・アルゴットソン[pf, or]、フレドリック・ジョンソン[b]、ヨナス・ホルゲルソン[dr])
■収録
2008.4.15-17, Swedish Radio, Studio 3, Stockholm
■音盤
Arte Verum ARV-005



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by k_hankichi | 2019-02-16 13:56 | ポップス | Trackback | Comments(2)

暁けの明星が二つ寄り添う天体現象を眺めていたら、双子の歌が思い浮かんだ。ザ・ピーナッツ、ザ・リリーズ、リンリンランランというような平凡を超えて、いま聴きたいのは山田姉妹の『いのちの歌』と『見上げてごらん夜の星を』。後者は友人もブログでその歌詞を言及していた。

この、一点の翳りもない透き通った美しき声とそのハーモニーに暫し我を忘れる。

この星の片隅でめぐり会えた奇跡は、という言葉に打たれるし、暁けの二つの明星を見たあとでは、この宇宙の片隅でめぐり会えた奇跡は、と置き換えても通じる。

いま、この世に生きていること自体が奇跡なのかもしれない。






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by k_hankichi | 2019-01-24 06:33 | ポップス | Trackback | Comments(4)

件の映画『さよなら、僕のマンハッタン』という邦題の訳もひどいけれど、その原題は"The Only Living Boy In New York"で、それもまた、映画の内容には関係ない題名だなあと思った。

じゃあどういう題名が良いのかよと言えばなかなか難しいけれど、"Finding a novelist"ぐらいが、どんでん返しとも繋がっていてよい。

ところで原題のThe Only Living Boy In New Yorkは、サイモンとガーファンクルによる同じ題名の曲から採られていて、だからその音楽も映画のBGMのなかに使われている。

この二人組の歌手たちによる一連の歌は、僕は苦手で、これまで真剣には耳を傾けてこなかった。というか、BGMの一種だろうとさえ思っていたのだ。

"Scarborough Fair"
"Parsley, Sage, Rosemary and Thyme"
"Wednesday Morning,3A.M."
"Sounds of Silence"
" El Condor Pasa (If I Could) "
"Mrs. Robinson"
"Bridge over Troubled Water"

ちょっと思い出してみると、意外に心に残っている歌が多い。

おい、待てよ、いいじゃないか。と思った。

どれもが、ひとりで生きていてもさみしくなんかない、というような茫洋とした気持ちにさせる歌なんだ。

二人の歌を聴き返す時が来た。


■歌詞(ポール・サイモンのHPから)
https://www.paulsimon.com/track/the-only-living-boy-in-new-york/
I get the news I need on the weather report
Oh, I can gather all the news I need on the weather report
Hey, I’ve got nothing to do today but smile
("The Only Living Boy In New York"から)

■原曲。


■2011年、おじさんになったポールの歌。


■一人でバーを飲むときにもこの歌を聴きたい。
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by k_hankichi | 2018-11-24 11:27 | ポップス | Trackback | Comments(2)

日本の慕情と心のうた

「日本のうた  愛のうた」という新しいCDを聴いている。これは日本の童謡や唱歌を、妹尾哲巳さんというピアニストがアレンジしたもので、それはジャズありミュージカルあり、クラシカルありと、とても多彩で楽しい。

「荒城の月」はジャズ奏者によるアレンジでも有名でそれに沿っているのだろうがなかなかどうして素晴らしい。

「紅葉」や「故郷」、「朧月夜」、「からたちの花」、「シャボン玉」、「赤とんぼ」など、クラシカルな響きが混じってそれは絢爛な響きだ。

かといえは、哀愁に包まれた曲もあり、ついつい口ずさんでしまう。

日本の古くからある歌が、いかに僕たちの心の奥深くに沁み通って体幹にあるのか、ということを、忘れていたように気づく。

広くみんなに聴いてもらいたい曲集だと思った。

■都の西北の、とあるホテルの庭にも日本の慕情がある。
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by k_hankichi | 2018-07-10 07:11 | ポップス | Trackback | Comments(3)

友人から、この曲は凄いぞ、と教えて貰っていながら暫く放置してしまっていた。そしてようやっとYoutubeでそれに耳を傾けてみた。心の深い底から呼びかけてくるような歌。久しぶりに心が澄みわたり、素になった。

音楽、歌詞、映像の全てが素晴らしい。特に、映像を眺めていると、彼女の表情、身体、手足の震えるような動きを通じて、瞑った瞼の裏には有り余るほどの映像が創造され流れているのだということが感じ取れる。そしてその能力はあの最初のアルバム『First Love』のなかの「Automatic」のときに既に備わっていたものと同じだと気付いた。

宇多田のこの楽曲は、彼女の過去からの記憶を辿り寄せ、それに新たな願いを加え繋ぎ合わせながら、物語を紡ぎだして行くプロセスを経ている。(と思う。)

さらに言えば、構築された物語は、目を瞑りながら脳内で新たな希求の実現に向けて、何度も何度も再現され磨き上げられていく。

藤圭子に、この宇多田の歌うシーンやビデオを見せてあげるだけで、命を絶つことを諦めさせることが出来たかもしれない。

それほどまでに、未来に繋げようとする強い意志を感じた。

※映像の冒頭でセッションのチューニングをしている音が聴こえる。ビル・エヴァンストリオ的な音階が溢れ落ちてドキドキする。



■過去の軌跡を未来へ繋げる(イメージ)
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by k_hankichi | 2018-07-05 00:38 | ポップス | Trackback | Comments(2)

友人から教えてもらって、ちょうど電車の中でそれを観たら、滂沱の涙に包まれた。号泣する準備は出来ていなかった。

JUJUが歌う『東京』は、どこにでもある父娘の隔絶から始まりその展開は真に迫る。あどけない娘の表情、そして娘を思い焦がれる父親のなんとも遣る瀬無い表情に、意図しないままに涙で溢れる。

家に帰って何も説明せずにそれをテレビで家人に見せたら、大泣きされてしまった。

ストーリーとしての音楽と映像の新たな極みだった。



■父親が内緒で見に行った娘が学ぶ場所。
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by k_hankichi | 2018-02-10 20:39 | ポップス | Trackback | Comments(2)

教えてもらって驚愕した。

ちいさく、小刻みに震える音程なのだけれど、一種独特の孤独感がある。歌が上手、というような表現を用いるのは適切ではない。そういう次元を超えてその向こう側にあるものだ。

詩の朗読を味わう感じににている。つまりそれは、生に立ち向かう雰囲気とでも言おうか。

疲れて居るとき、元気をだしたいとき、そしてちょっと空虚な気持ちになったとき。

「REBORN(セリver.)」門脇麦・・・・。大切な歌になった。

https://youtu.be/GMUiipgOPVY


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by k_hankichi | 2017-08-30 00:19 | ポップス | Trackback | Comments(4)

豊島たづみのこと

同年代の友人と歓談していて、ふとしたことから彼が豊島たづみのファンであることを知った。

豊島たづみ・・・・。学生時代、ひとつ上の先輩から薦められて聴いたことを思い出し、そして買い求めたLPが手元にあることも思い出した。

およそ35年ぶりに針を落としてみる。

けだるさ、アンニュイを伴いながら、しかしその遣る瀬なさをなんとか乗り越えていこうとする一縷の明るさ。

暑い五月の夕暮れに、一筋の涼風が吹き過ぎていった。

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■エヴリデイ・エヴリナイト



by k_hankichi | 2017-05-06 20:40 | ポップス | Trackback | Comments(4)

残暑の朝は北欧で涼む

台風一過。朝から蝉の鳴き声が押し寄せる。そんななか出社時に聴くのはアイルランド/ノルウェーのニューエイジ・ミュージック、シークレット・ガーデンのアルバム『ドリームキャッチャー』。

汗ばんだ肌に涼風が吹き寄せる。

甘すぎず、凛として、人におもねることなく、しっかりと先を見据えて、透き通った心をもち、そして優しく。

残暑の陽の光が、がフィヨルドを見下ろす先に射すヤコブの梯子に変わる。

ドリームキャッチャー

シークレット・ガーデン / ユニバーサル インターナショナル

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by k_hankichi | 2016-08-17 07:32 | ポップス | Trackback | Comments(0)

夜に響くジャズ

昨晩は仕事を終えてから同僚と酒を酌み交わしながら懇談。社会人としての生き甲斐など真面目に語り合い、肩肘はらず環境を受け止めながらそこに活力を与えていこう、とうなずき合う。

二軒目はといえばあそこだ、と予め考えておいた魔界にあるジャズバーに足を運ぶ。ビルの二階だと思っていたらそこは六階で驚きながら扉を開ける。

マスターは僕が春に訪れたことを覚えていてくれた。そのときは漆黒の夜で、しかし丁度持ち合わせていたバッハの『マタイ受難曲』のCDをかけてくれ、皆で神妙に聴き入ったからかもしれない。

不思議な体験を共にすることは貴重だ。

今回はうって変わってスタンダードを自作曲と混ぜてアレンジしたものをピアニストが弾く夜だった。

そのどれもが美しく、そんななかにも武蔵野台地の河岸段丘についてだとか、吉祥寺や新宿のジャズの店の話だとか、水道橋の風情だとかを織り混ぜて語らう。

夜はいつしか更けゆき、その日のうちに家に着けるかぎりぎりの時間が来ていることに気付いてそこを名残惜しくあとにした。

エディ・ゴメスがビル・エヴァンストリオをやる前には、そういうバンドに入っていたのかあ。といたく感心したのだけれど、それが何だったのかを思い出せない。

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by k_hankichi | 2016-08-03 07:44 | ポップス | Trackback | Comments(4)