カテゴリ:ポップス( 86 )

日本の慕情と心のうた

「日本のうた  愛のうた」という新しいCDを聴いている。これは日本の童謡や唱歌を、妹尾哲巳さんというピアニストがアレンジしたもので、それはジャズありミュージカルあり、クラシカルありと、とても多彩で楽しい。

「荒城の月」はジャズ奏者によるアレンジでも有名でそれに沿っているのだろうがなかなかどうして素晴らしい。

「紅葉」や「故郷」、「朧月夜」、「からたちの花」、「シャボン玉」、「赤とんぼ」など、クラシカルな響きが混じってそれは絢爛な響きだ。

かといえは、哀愁に包まれた曲もあり、ついつい口ずさんでしまう。

日本の古くからある歌が、いかに僕たちの心の奥深くに沁み通って体幹にあるのか、ということを、忘れていたように気づく。

広くみんなに聴いてもらいたい曲集だと思った。

■都の西北の、とあるホテルの庭にも日本の慕情がある。
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by k_hankichi | 2018-07-10 07:11 | ポップス | Trackback | Comments(3)

震える楽曲のなかに秘められた未来への希求

友人から、この曲は凄いぞ、と教えて貰っていながら暫く放置してしまっていた。そしてようやっとYoutubeでそれに耳を傾けてみた。心の深い底から呼びかけてくるような歌。久しぶりに心が澄みわたり、素になった。

音楽、歌詞、映像の全てが素晴らしい。特に、映像を眺めていると、彼女の表情、身体、手足の震えるような動きを通じて、瞑った瞼の裏には有り余るほどの映像が創造され流れているのだということが感じ取れる。そしてその能力はあの最初のアルバム『First Love』のなかの「Automatic」のときに既に備わっていたものと同じだと気付いた。

宇多田のこの楽曲は、彼女の過去からの記憶を辿り寄せ、それに新たな願いを加え繋ぎ合わせながら、物語を紡ぎだして行くプロセスを経ている。(と思う。)

さらに言えば、構築された物語は、目を瞑りながら脳内で新たな希求の実現に向けて、何度も何度も再現され磨き上げられていく。

藤圭子に、この宇多田の歌うシーンやビデオを見せてあげるだけで、命を絶つことを諦めさせることが出来たかもしれない。

それほどまでに、未来に繋げようとする強い意志を感じた。

※映像の冒頭でセッションのチューニングをしている音が聴こえる。ビル・エヴァンストリオ的な音階が溢れ落ちてドキドキする。



■過去の軌跡を未来へ繋げる(イメージ)
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by k_hankichi | 2018-07-05 00:38 | ポップス | Trackback | Comments(2)

号泣する準備は出来ていなかった③

友人から教えてもらって、ちょうど電車の中でそれを観たら、滂沱の涙に包まれた。号泣する準備は出来ていなかった。

JUJUが歌う『東京』は、どこにでもある父娘の隔絶から始まりその展開は真に迫る。あどけない娘の表情、そして娘を思い焦がれる父親のなんとも遣る瀬無い表情に、意図しないままに涙で溢れる。

家に帰って何も説明せずにそれをテレビで家人に見せたら、大泣きされてしまった。

ストーリーとしての音楽と映像の新たな極みだった。



■父親が内緒で見に行った娘が学ぶ場所。
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by k_hankichi | 2018-02-10 20:39 | ポップス | Trackback | Comments(2)

ひっそりと一人で耳を傾けるべき歌

教えてもらって驚愕した。

ちいさく、小刻みに震える音程なのだけれど、一種独特の孤独感がある。歌が上手、というような表現を用いるのは適切ではない。そういう次元を超えてその向こう側にあるものだ。

詩の朗読を味わう感じににている。つまりそれは、生に立ち向かう雰囲気とでも言おうか。

疲れて居るとき、元気をだしたいとき、そしてちょっと空虚な気持ちになったとき。

「REBORN(セリver.)」門脇麦・・・・。大切な歌になった。

https://youtu.be/GMUiipgOPVY


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by k_hankichi | 2017-08-30 00:19 | ポップス | Trackback | Comments(4)

豊島たづみのこと

同年代の友人と歓談していて、ふとしたことから彼が豊島たづみのファンであることを知った。

豊島たづみ・・・・。学生時代、ひとつ上の先輩から薦められて聴いたことを思い出し、そして買い求めたLPが手元にあることも思い出した。

およそ35年ぶりに針を落としてみる。

けだるさ、アンニュイを伴いながら、しかしその遣る瀬なさをなんとか乗り越えていこうとする一縷の明るさ。

暑い五月の夕暮れに、一筋の涼風が吹き過ぎていった。

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■エヴリデイ・エヴリナイト



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by k_hankichi | 2017-05-06 20:40 | ポップス | Trackback | Comments(4)

残暑の朝は北欧で涼む

台風一過。朝から蝉の鳴き声が押し寄せる。そんななか出社時に聴くのはアイルランド/ノルウェーのニューエイジ・ミュージック、シークレット・ガーデンのアルバム『ドリームキャッチャー』。

汗ばんだ肌に涼風が吹き寄せる。

甘すぎず、凛として、人におもねることなく、しっかりと先を見据えて、透き通った心をもち、そして優しく。

残暑の陽の光が、がフィヨルドを見下ろす先に射すヤコブの梯子に変わる。

ドリームキャッチャー

シークレット・ガーデン / ユニバーサル インターナショナル

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by k_hankichi | 2016-08-17 07:32 | ポップス | Trackback | Comments(0)

夜に響くジャズ

昨晩は仕事を終えてから同僚と酒を酌み交わしながら懇談。社会人としての生き甲斐など真面目に語り合い、肩肘はらず環境を受け止めながらそこに活力を与えていこう、とうなずき合う。

二軒目はといえばあそこだ、と予め考えておいた魔界にあるジャズバーに足を運ぶ。ビルの二階だと思っていたらそこは六階で驚きながら扉を開ける。

マスターは僕が春に訪れたことを覚えていてくれた。そのときは漆黒の夜で、しかし丁度持ち合わせていたバッハの『マタイ受難曲』のCDをかけてくれ、皆で神妙に聴き入ったからかもしれない。

不思議な体験を共にすることは貴重だ。

今回はうって変わってスタンダードを自作曲と混ぜてアレンジしたものをピアニストが弾く夜だった。

そのどれもが美しく、そんななかにも武蔵野台地の河岸段丘についてだとか、吉祥寺や新宿のジャズの店の話だとか、水道橋の風情だとかを織り混ぜて語らう。

夜はいつしか更けゆき、その日のうちに家に着けるかぎりぎりの時間が来ていることに気付いてそこを名残惜しくあとにした。

エディ・ゴメスがビル・エヴァンストリオをやる前には、そういうバンドに入っていたのかあ。といたく感心したのだけれど、それが何だったのかを思い出せない。

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by k_hankichi | 2016-08-03 07:44 | ポップス | Trackback | Comments(4)

アフリカからの音楽だということを忘れていた

もうすこし片岡が続く。彼は社会人になる際に、一度は商社に就職したようで、しかしそこを3ヶ月で辞めている。件の小説のその章は、次のように締めくくられている。会社が入っているビルのエレベーターガールと一緒に人事部に辞表を提出したあとに立ち寄った喫茶店でのシーンだ。

“「あなたの会社の人たちは、まだここへは来ないわね。
と彼女は言った。
ふたりのコーヒーはすぐにテーブルへ運ばれてきた。白い指をまっすぐにのばしてコーヒーを指さし、
「この苦さを忘れないで」
と謎のひと言を僕にくれた。
コーヒーは確実に苦かった。その苦さと重なり合う店内の音楽は、いまはザ・ジャズ・メッセンジャーズが演奏する『チュニジアの夜』だった。”
(「あなたは、このコーヒーの苦さを忘れないで」より)

僕はこの曲を知らなかった。そして聴いてみた。

ジャズが、アフリカの人たちが起こした曲なのだということを忘れていた。そして彼らの情熱の由来に思いを馳せて、しみじみとした気持ちになった。

■Art Blakey & The Jazz Messengers - A Night In Tunisia - 1958 →https://youtu.be/2IQNPlnc9c0

 
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by k_hankichi | 2016-05-07 06:57 | ポップス | Trackback | Comments(2)

ジャズへのループも回したくなった

片岡義男は、その初期はテディ片岡という名で著作活動をしたそうだが、その名前はサリンジャーの「ナインストーリーズ」の最後の小篇の題名から採ったという。

それを決めたときは御茶ノ水の喫茶店で、そこで流れていたのが、オリバー・ネルソンの『ブルースと抽象的な真実』(Oliver Nelson - Blues and Abstract Truth)というアルバムだった、と件の小説集に書かれていた。

調べてみると、ビル・エヴァンスがオリバー・ネルソンと共演した唯一のアルバムで、ポスト・バップの必須の録音だという。僕はジャズはビル・エヴァンス系しか聴かない薄い愛好者なので、「ポスト・バップ」という言葉も知らない。調べてみると、現代ジャズに繋がる重要なものだった。→http://listenmusic.jp/store/genre_449.htm

バッハの真髄をどんどん深めていたこの春だったのだけれども、連休で軽くなった心の浮力をさらにつけるべく、ジャズへのループも回したくなった。

■Performers
Oliver Nelson (alto sax, tenor sax); Eric Dolphy (flute, alto sax); George Barrow (baritone sax); Freddie Hubbard (trumpet); Bill Evans (piano); Paul Chambers (bass); Roy Haynes (drums)
■Titles
1. Stolen Moments
2. Hoe-Down
3. Cascades
4. Yearnin'
5. Butch and Butch
6. Teenie's Blues
■Recorded
1961

■Oliver Nelson - Blues and Abstract Truth →https://youtu.be/f_R7pbBAjcA


■昨日訪れた、新緑に映える丹沢・宮ケ瀬湖
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by k_hankichi | 2016-05-06 10:23 | ポップス | Trackback | Comments(2)

永遠の『カサブランカ』が過去と現代を繋ぐ

ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンによる映画『カサブランカ』(1942年)の主題歌だと、「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(As Time Goes By)のことを思っていた。

片岡さんの小説を読んでいて初めて、これが1931年にすでに作曲され歌われていた曲だと知った。映画のなかでも古い流行歌として取り上げられていたという。作詞・作曲:ハーマン・フップフェルド(Herman Hupfeld)。ブロードウェイ・ミュージカル『エブリバディズ・ウェルカム 』(Everybody's Welcome)のなかの曲だったそうだ。

そんなふうに書いていたら、ちょうど横のテレビで流していた番組のCMがこのメロディーを使っていてその奇遇さに驚く。

永遠に大切にしたいと思っていた映画の音楽。その過去と現代が繋がった気がした。

“その真剣さに、一瞬を境にして、僕は僕の真剣さで彼女に応えることを始めた。と同時に、今日はまだ彼女の鼻歌を聴いていないことに、僕は気づいた。ほとんどの場合、『アズ・タイム・ゴーズ・バイ』という歌で、英語の歌詞が最初から内蔵されているメロディを、そのまま指先でつまんで引き出したような鼻歌だ。ふたりで夕食のしたくをしているときには、おそらく聴くことが出来るだろう、と僕は思った。重なって来る彼女の唇を僕は自分の唇で受けとめた。”(「一月一日の午後、彼女はヴェランダの洗濯物を取り込んだ」から)

■Rudy Vallee - As Time Goes By 1931 →https://youtu.be/_yTzjc056qM

■Play it, Sam(これは何度観ても背筋がぞくぞくするほど凄い映像である) →https://youtu.be/7vThuwa5RZU

■パナホーム「ときめく住まいを 君が居たから」篇 →https://youtu.be/qYb8QzXb66s

 
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by k_hankichi | 2016-05-05 09:12 | ポップス | Trackback | Comments(6)


音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です


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