音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

by はんきち

カテゴリ:テレビ番組( 132 )

昨晩はNHK・BS のスペシャルドラマ『花へんろ特別編 春子の人形』を観た。早坂暁脚本。⇨https://www.nhk.or.jp/dsp/hanahenrosp/

番宣によれば次のようにある。

「早坂暁さんが“これだけは未来のために書き残したい”と考えたのは、13歳で亡くなった妹のことだった。早坂さんが自らの体験をもとに作った、遺作ともいうべきドラマ。」

日本人は古来、“うつくしむ”ということを大切にしてきた。無くした(亡くした)ものに思いを馳せ、いつまでも心に思う。

早坂さんは、そういう想いをもとに数々のドラマを書いてきたという。

慕っている兄に会うために四国から山口に向かおうとして、ヒロシマで亡くなった妹役を演じたのは芦田愛菜。純粋無垢さを残す最後の瞬間がここにあると思った。

ところで、ヒロシマになぜ原爆を落としたのかということがこのなかでも語られている。空襲をしておらず街全体が保持されていて、市民(戦争に関係のない人々・子供)もろとも一気に壊滅させることが出来る都市だったからという。

そういう範疇の都市で最も優先度が高かったのは京都だったが、トルーマン大統領の下の陸軍長官によって却下されヒロシマとなった。

戦争はヒトラーに引けを取らない悪魔を幾つも生み出してしまう。悪魔は自分が悪魔だとは決して言わない。

ドラマは「うつくしむ」ということをこれからの日本に託すと共に、それとは反対の人々、無縁な人々に対して無言の抗議・批判をしていた。

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※以下Wikipediaより
原爆による最大の破壊効果を得るために選ばれたのは東京湾から佐世保までの17か所であったが、その中でも広島と京都が有力候補に上がっており、「マンハッタン計画」で原爆計画の責任者を努めていたレスリー・グローブス准将は京都を推した。グローブスは「京都は外せなかった。最初の原爆は破壊効果が隅々まで行き渡る都市に落としたかった」と述べていた。

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by k_hankichi | 2018-08-05 07:52 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
ラヴェルの音楽を久しぶりに聴きたいなぁと思っていたら、 友人がピアノ協奏曲を聴いていたのが分かり、妙にびっくりした。

僕の方のきっかけは、NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』からだ。主人公の楡野鈴愛(永野芽郁演じる)が働いている少女漫画スタジオの先生、秋風羽織(豊川悦司演じる)が、嘗て飼っていた犬たちを懐かしみながらレコードを聴くシーンがあって、それが映像ととてもマッチしていて僕まで犬たちのことを愛おしくなった。

掛かっていたのは、ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』。この昼下がりの微睡みのような甘く切ない旋律に触れ、ゆっくりと瞼を下ろしているだけで、そこにある時間は過ぎ去りし心温まる日々に戻っていく。

嗚呼、ラヴェルは良いなあ、脳が記憶のなかに溶けていくなあ。

それにしても、ドラマのなかで掛けていたLPレコードは不思議だ。レーベルにはヴァイオリン協奏曲第4番作品35と読み取れる。しかも不思議なことにKV番号まで付与されているよう。レーベル名はMETROMELODY。

無きヴァイオリン協奏曲のためのパヴァーヌだった。

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by k_hankichi | 2018-05-20 09:28 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
ハードロックからは出来るだけ離れていようと心掛けていた。第一に音楽がよく分からない。風態が馴染まない。皮ジャンパーが嫌いだ。などなど理由はあるけれども、訳わからない歌詞でがなり立てる遣り様そのものが我慢できなかった。

しかし最近毎回観ているドラマの主題歌がそのハードロックになっていて、仕方がなく受け入れる。歌詞と旋律を聴いているうちに、これは僕が退けてきた音楽とは一線を画しているようだと気付き始めた。

バンド名『人間椅子』。説明をWikiから紐解くと次のようにあった。

「ブラック・サバスを彷彿とさせる70年代風ブリティッシュ・ハードロックのサウンドに、日本語・津軽弁での歌唱、怪奇をテーマとした世界観の歌詞をのせた、独特の音楽性を特徴とする。」

主題歌のMusic Videoには、バンドメンバーの演奏の出で立ちと共に、ドラマに出演している田中泯の踊りがオーバーラップする。

奇々怪界ながらも、生きるということの意味を訴えてくる。不思議な感覚に包まれる。

今年のこのドラマ『命売ります』は三島由紀夫が原作。50年前の作品なのに、未だに色褪せない迫真さがある。

命を売る主人公・山田羽仁男が事務所を構えるビルに見覚えがあって、そこは曾てよく酒を飲みに行った場所だったから、思わずその扉を叩いてみたくなった。けれどもそれは、人の命を買い付けにいくということになるのだ、とハタと気づき、外側だけ撮影して帰ってきた。

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■主題歌『命売ります』


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by k_hankichi | 2018-04-23 07:33 | テレビ番組 | Trackback | Comments(1)
この世も末なのかと思って眺めていた。街頭でのテレビである。

鬼に扮した立候補者が出る世の中になってしまったと知り、愕然としていて、佇みながら映像を眺めていたら、なんと当選したという。

なになに?投票は日曜日で開票はそのあとだろ?もしかして無投票当選なのか?

ああ、本当に末期的だ・・・と目を瞑った。

しばらくすると、また同じ映像になっていた。こんな報道をいつまで繰り返して流しているのだ、と怒りをこめてテレビディスプレイを睨んだ。

そしてわかった。新しいゲームソフトウエアのコマーシャルなのだということを。

しかし・・・。

現実の選挙もこれと同じ次元なのかもしれない。

さらに怖くなった。

■魔王ちかおの演説 →https://youtu.be/qnLaj4PG2qc?t=42s
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by k_hankichi | 2017-10-20 07:40 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)

“”ひよロス” 哀歌

朝の連続テレビ小説「ひよっこ」が終わってしまい、文字通り、“ひよロス”状態だ。

きみきみ、そんなぼくのこと「わろてんか」。

・・駄洒落言えども笑えない。

“ひよロス”を、“ひよろす” と書くと、なんだか旨そうな夏の酒の肴のように思えるが、そんな夏もとうに終わってしまった。

“ひよっこ”時代の常磐線や東北本線の停車場に今宵も立ち寄り、ひとり佇んだあと帰途につく我である。

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by k_hankichi | 2017-10-02 19:27 | テレビ番組 | Trackback | Comments(4)
出張で朝の連続ドラマ『ひよっこ』が観られなかった。毎日の元気の素なので、結構シンドイ一週間だった。

ようやっと録画を観終える。今週は「恋、しちゃったのよ」というサブタイトル。7月14日の放映は、慶応大学の学生、島谷純一郎(竹内涼真)と、矢田部みね子(有村架純)が、東京タワーや大学キャンパスにデートする場面。

相手のありのままの人間としての姿が好きなのだ、と互いに語り合う場面に感動するとともに、そのバックグラウンド音楽がとても良かった。不安なる精神のざわめきが現代音楽的なピアノ管弦楽で奏でられ、心許なく研ぎ澄まされた気持ちの昂ぶりが重なるよう。

このドラマはストーリーだけでなく、主題歌や、昭和の歌謡曲、そしてBGMも一級品で、だから猶更素晴らしい。

■ピアノ管弦楽のシーン。7/14(金) 8:05~8:06。
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■珠玉の挿入曲の一つをギターで弾くバージョンを見つけ、これにも感銘した。

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by k_hankichi | 2017-07-15 13:00 | テレビ番組 | Trackback | Comments(0)
クラシック音楽家が主人公の韓流ドラマの放映が始まった。『密会』。千葉テレビ・水曜夜7時だ。二年前にBSで放映がされその再放送だそう。

出てくる曲の数々に先ずは聴き惚れる。何気なくピアノ協奏曲『皇帝』のシーンが出てきたり、我流でピアノを弾く青年が見つかってしまって、試し弾きをさせられると、それはバッハの平均律やモーツァルトのピアノソナタ第8番イ短調だったりもする。

もちろん俳優も美男美女だからそれも嬉しい。

毎週の楽しみが増えた。


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by k_hankichi | 2017-06-22 06:03 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
イタリアオペラが苦手で仕方がなかった。だから大学時代の音楽クラブでそれを研究している会派から遠ざかっていたことは不思議でも何でもない。

それから幾十年。今週、TBSドラマ『カルテット』の第6話を観ていたら、1stヴァイオリンの巻真紀と夫の幹生の二人に心の隙間、すれ違いが生まれたときにイタリアオペラが流れた。ああ、この曲は・・・・、と思う一方で、その旋律がドラマのそのシーンにぴったりとマッチしているなあと深く灌漑している自分に気付いた。

マスカーニの『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲。

とても久しぶりに聴いたこの音楽は、疲れ切った身や心を任せるのにとてもよく、春になりゆくこの時の移ろいがとても大切なのだということが、自然に受け入れられるかのよう。それとともに、学生時代の先輩の気持ちが少しづつ分かってきた。
■マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 https://youtu.be/1V9kMKS9E2o
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By Voceditenore - mascagni.org Transferred from en.wikipedia to Commons., Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5149184

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by k_hankichi | 2017-02-25 17:54 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)

深夜食堂に、じんとする

金曜日の夜に放映されているテレビドラマを観ることはあまりなかった。観ようとしてその時間に帰宅しているとは限らないし、また、少し早く帰ったときはその一週間の疲労のせいでバタンキューとなっている。

そんななか、最近惹きこまれているのは『深夜食堂』

毎回完結型のエピソードは、どれもがほろ苦く、ギターのBGMとともに深く心のなかに沈降してゆく。

先週の放映は、バターライス。熱々のご飯にバターをひと欠片埋め込み、そこに醤油を少しだけ垂らす。そして混ぜながら食べていく。あまりの旨そうな按配に、思わず朝に同じことをして食べてしまった。



■みちのくの宿のエレベータホール。最近は床材の模様にも配慮が感じられて感銘する。
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by k_hankichi | 2017-02-18 20:58 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
『カルテット』(TBSドラマ、火曜日)が良いぞというのは知っていたのだけれど、ようやっと録画してあったものを観ることが出来た。

実は僕は演劇を観たことがない。だから、そもそもチェーホフの『かもめ』の舞台の真髄も知らないし、高貴な身の上もかなぐり捨てて、大正末期からその世界に駆け込んでいった東山千栄子の本当の心の欠片も知らない。

そういう演劇の世界の片鱗について、テレビ受像機を通じて新たな投げかけをしようとしているものがこの作品だと思った。

ドラマの筋書きは、まだ出だしだからどうのこうの言ったところで拙速になる。しかし、ここで出ている俳優たちの真剣味と凄みは第1話から伝わってきた。高橋一生という俳優には何度か触れてはきたけれど、その知性の高みの半面のひねくれた視点は印象的で、それは彼が、ヴィオラというちょっと傍流的に置かれた楽器を担当している設定も相まって、今後の劇の趨勢のシニカルさを予感させた。

エンドロールに出てくる椎名林檎による曲『おとなの掟』は、物哀しきタンゴとでも言おうか、短調の切れ味が鋭く美しく、それだけでも陶酔してしまった。



File:Schoenberg string quartet quartal chord.png
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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/46/Schoenberg_string_quartet_quartal_chord.png: By Schoenberg (Created by Hyacinth using Sibelius) , via Wikimedia Commons

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by k_hankichi | 2017-01-23 00:56 | テレビ番組 | Trackback | Comments(3)