2018年 10月 13日 ( 1 )

押し付けてこないフィッシャー=ディースカウ

肩の力を抜いたディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウだと思った。アルフレート・ブレンデルの伴奏で歌ったこの『冬の旅』の音盤は1985年7月17日から24日にかけて、ベルリンのシーメンス・ヴィラで収録されている。

梅津時比古さんは次のように記している。

“声の全盛期を過ぎて負担のかからない発声法に変えており、それが軽く透明な響きを生み出している。余分なものを削ぎ取った表現は、一種、枯淡を感じさせる。”

“ホテルの部屋で話しを聞いたりしたときの声もこの声に近かった。ということは、発声的に話すような声に近づけていった要素もあったということだろう。”

ああ、だからあのちょっといばったような押し付けがましさが無いのだ。この声色には、僕はストレスを感じない。

彼の1960〜70年代のオペラや声楽曲の歌声には、僕はいつもそこから遠ざかっていたい気持ちになっていたからとても不思議な感じがした。




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by k_hankichi | 2018-10-13 23:35 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)