2018年 10月 11日 ( 1 )

ようやっとプーランクを聴きたくなる

■「雨に歌う」から
“プーランクもジャン・コクトー、マックス・ジャコブ、ルイ・アラゴン、ポール・エリュアール、それからギョーム・アポリネール、ヴィルモランその他の錚々たる詩人たちの詩を捕えて、歌を書いた人である。”

 →アポリネールの詩集《カリグラム(Calligramme)》から選んだ七篇につけた曲を無性にしっかり聴きたくなった。

■「パリの夜と晝の歌」から
“ある夜遅く帰ってきて、タクシーを降り、ふと見上げると、暗い夜空に美しい照明を受けて、塔が無言のまま華やかに誇らし気に、空に浮かんでいた。それを見た瞬間、昔泊まったホテルがグルネル通りにあったこと、それから近ごろ馴染みかけてきたフランシス・プーランクの歌曲の一つに、同じグルネルの名をもったもののあることを思い出した。”

 →「さあ、急げ、急げ(Allons plus vite)」という曲のなかにあるパリの街の暗さ、猥雑さ、そしてほとんど艶かしいといってよいような甘くぞくぞくするような誘いの響き、というものを聴いてみたい。

■「《涼気と火》〜加藤周一に〜」から
“プーランクが「私が死んだら、墓の上に、『アポリネールとエリュアールの作曲家、ここに眠る』と書いておいてくれれば本望」といっていたという話は、前にも書いた。”

 →プーランクは、歌曲集《涼気と火(La Fraicheur et le feu)》が自分自身の歌曲集のなかで最も整備されたものだ、と言っているそうだ。ああ聴いたことがないなあ。焦りが高じる。

『永遠の故郷 〜薄明〜』(吉田秀和、集英社)は、その半分以上がプーランクの歌曲について記されていて、その世界にどっぷりと深く浸かりたくなった。

実は吉田さんのこのフランス装のシリーズは「夜」(ルソーの絵が表紙の)しか読んでおらず、やっとその夜が明けるところまできた。

それはそれで良かったと感じ、この世界やこれらの曲をしっくりと心身に馴染ませるための準備時間だったのだ、と理由なく思った。


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by k_hankichi | 2018-10-11 08:12 | | Trackback | Comments(2)