2018年 09月 16日 ( 1 )

ハリウッドの凋落の歴史を漸く理解した

ハリウッドがもはや映画製作の場では無くなり、嘗ての栄華を極めた巨大スタジオシステムはとうの昔に崩壊しているのだ、ということがよくわかった。そしてその崩壊への道筋は、1980年代にアジアの電機会社が撮影所の経営権を握ったりしたからなのではなく、1950年代初頭からすでに始まっていたのだということにも驚いた。

マッカーシズムは意思ある脚本家、製作者、監督などをその場から遠ざけ、「翳りの歴史」をさらに重層化していく。

“ハリウッドという二十世紀の神話的な地名から、「絢爛豪華」といった豊かさのイメージしか連想できない人は、アメリカ映画に対する途方もない誤解に安住しているといわねばなるまい。(中略)メジャー系の製作会社が合衆国の市場をまがりなりにも独占しえたのは、1930年代のごくわずかな期間にほなからない。それは国家が不況克服の政策としてメジャーのカルテル化を容認した一時期のことである。”(「第二章 絢爛豪華を遠く離れて」より)

『ハリウッド映画史講義 -翳りの歴史のために-』(蓮實重彦、ちくま学芸文庫)は、文学者の渾身の論評だった。


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by k_hankichi | 2018-09-16 08:02 | | Trackback | Comments(3)