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by はんきち

2018年 04月 20日 ( 1 )

クラシック音楽の入門解説書は、あまたに有るが、経験に裏付けされた独断と洞察は非常に面白かった。実用的にためになり、かといえば音楽評論家の書くものよりは蘊蓄は薄いので我慢できる。さらに値段も手頃だから万が一肌が合わなくても諦めもつく。『クラシック音楽とは何か』(岡田暁生、小学館)。

次のような感じだ。

“古代バビロニアで囚われの身になっているユダヤ人たちが祖国を懐しんで歌う、ヴェルディの《ナブッコ》の有名な合唱曲〈行け我が想い、黄金の翼に乗って〉(第三幕)を聴いてほしい。曲の途中で、客席から突如として感極まった「イタリア万歳!」の叫び声があがる。演奏はまだ続いているというのに、お構いなしに大騒ぎが始まる。(中略)前奏からしてオーケストラは、一回目よりもさらに気合いが入っている。冒頭のトゥッティ(総奏)によるフォルテシモの一撃など、全員が渾身を込めて「どうだ!」とばかりにポーズを決めてくれる。ほとんど郷土芸能の世界である。”(「オペラは「クラシック」じゃない?」より)

1949年のナポリにおけるマリア・カラスが主演したサン・カルロ歌劇場オーケストラによるライヴについてのもの。ガラの悪いイタリアオペラファンの素性を聴くためだけにでも価値のある録音としている。

ついでに言えばイタリアオペラは日本でいう演歌であり、だから演歌が嫌いな人には肌に合わないものだと書いてあった。ようやく安心した。


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by k_hankichi | 2018-04-20 07:19 | | Trackback | Comments(4)