2018年 03月 06日 ( 1 )

美しく化粧される銀座と人々

昨日は米国アカデミー賞の授賞状況が少しずつ伝わってきて、やがてその全貌が明らかになって、うぉーっと呻るような声が出た。依怙贔屓の少ない、しかし画期的なところはしっかりと評価がされた、随分と素晴らしい選考だった。知性と良識というものが滲み出ていた。

一方で日本の新聞やテレビでの報道のされ方は、作品、監督、主演俳優、助演俳優といった最も重要な部分をメインから外した偏ったもので、またですか!と落胆。

仕方がなく『銀座化粧』(成瀬巳喜男監督、1951年、新東宝)を観る。この作品は戦後の荒廃から復興しつつある東京の銀座と下町の風情が満載で、街角探検隊の胸が昂ぶる。

雪子(田中絹代演じる)は妻子待ちの男(三島雅夫演じる)に惚れ、子供まで作ってしまい、銀座でバーを営んでいる。男は今や落ちぶれて金の無心に来るような為体だが、情の残りから金を渡すことが続いている。

そんなところに田舎の資産家の息子との縁談が降って湧く。雪子は精一杯の装いを施し、東京案内(主に銀座)をするが、その息子は雪子の妹(香川京子演じる)のほうを一目で気に入ってしまい、夢は泡と消える。

田中絹代の憂いある表情(満島ひかりがいまこういう演技ができる)、香川京子の美しさが光る。

さて探検隊。評判の「東京温泉」の実態を把握出来た。銀座6丁目の今のGINZA SIXの東側の三十三間堀の脇にそれはあって、威風堂々とした構えだった(6丁目13-16)。

銀座の街や通り、商店はこのほかにもふんだんに描かれていて、なるほど、映画の題名通り、人生だけでなくあらゆる喜怒哀楽を美しく装う街が銀座なんだなあ、と感じ入った。

映画を愛する人たちの感興は豊かで様々。アカデミー賞の報道くらいはそういう人たちに寄り沿った目線が欲しい。

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by k_hankichi | 2018-03-06 06:31 | 映画 | Trackback | Comments(4)