2018年 02月 28日 ( 1 )

その南蛮漬け、何晩漬けたの?

家で作ってくれるたびに、そういう駄洒落を毎回言って、都度、無視されるようになったのは、もう、足掛け30年になるかもしれない。

居酒屋や割烹ではそんな駄洒落は言えないから、黙って頼んで出されたら黙って食べている。

しかしこの南蛮漬けは違った。

そういうことを言う言わないの考えが思いつかない。今まで食べてきたどんな南蛮漬けとも違った。

柔らかさという境地とは無縁で、しっかりと歯ごたえがある。少し柔らかな燻製か干物を口にしているかのような感が一瞬頭を過る。しかしそういうもの特有の香りは無くて、かと思えば唐揚げの油感がするかと言えばそれは全くない。

旨味が沁みている。それが沁みて出してくる。

さかなの肉は硬めに締まっていて、ちょっと妖艶なことを思い浮かべてしまうほどで、そんな気持ちにさせられればさらにグイッグイッと噛み締めたくなり、すると適度の弾力をもって反発しながら自分のなかでそれは解けて行く。

魚の肉の旨味が全て凝集されたその盛り合わせは、それだけでもまた来て食べたくなる。

きっと何晩も何晩も漬けたんだろうなあ。

■京都・八条口「佳辰」の南蛮漬け
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by k_hankichi | 2018-02-28 07:38 | 食べ物 | Trackback | Comments(3)