久々にみちのくに向かっている。車中で聴くのは、ベートーヴェンの交響曲第3番 変ホ長調 作品55。この演奏は非常にリズミカルで、そのまま踊りだしたくなる小気味良さがある。

第2楽章は哀しみのはずだけれども、オーケストラの音の響きが素晴らし過ぎて、思わず陶然となる。低弦やティンパニーの音の張りは、旨い日本酒(例えば神亀)をぬる燗でゆっくりゆったりと呑んでいるかのよう。口に含んで飲み込んだあと、メロディをそのまま口ずさんでいる。

第3楽章は、舞踏の権化で圧倒する。耳を傾けているだけで、手の指先までもが勝手に宙で円弧を描き始める。ホルンのラッパになって高らかに歌う。夢遊病者か。

最終楽章。材料分析解析学の教科書を眺めているような不思議な気持ちに包まれる。あら、こんな旋律だったの、こんな音魂が、こんな響きが、こんな弾き方が、まあ!という感じ。自分の人差し指が、またむた勝手に宙をあれこれ漂い始める。いとおかし。

指揮のミヒャエル・ザンデルリンクは、クルト・ザンデルリンクの息子であり、初めはチェリストとしてデビューしたそう。オケはドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団。

エルベ川沿いの古都で、この理知と機知に富んだ演奏をいつの日か生で聴いてみたい。

■収録
2016.6.24-25, ドレスデン・ルカ教会
■音盤
ソニークラシカル SICC 30434-5

c0193136_07594580.jpg

[PR]
by k_hankichi | 2018-01-30 07:27 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(4)