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2012年 03月 25日 ( 2 )

友人が紹介していた『戦友の恋』(大島真寿美、角川文庫)を読了。表題作から始まる連作だ。

人が生きてきたなかでの大切な時間が、しみじみと語られてゆく、そしてそうすることで何が一番意味があったのかに気付いてゆく、そんな小説だった。

「戦友の恋」は戦争の友ではなく掛け替えのない友が重ねる恋。友同士はラム酒をともに煽る仲。レモンが似合う。

「夜中の焼き肉」は気兼ねなく差しで食う男と女。豪快に快活に。ここもレモンを垂らしたくなる。

「かわいい娘」は、風呂屋の美和ちゃんの話。丸善に積んである本のうえに檸檬をおくように、下駄箱の上にそれを置きたくなる。

「遥か」は、長らく音信が不通だった男とようやく連絡がつき、“ようやく繋がった、ようやく見つけたこの細い線を手放してはならないのではないか”(本文から)、という気持ちで彼を訪ね、田舎の美しい海を見渡す山に登る。僕にはそこに黄色く輝く檸檬の実が沢山なっているような気がした。

互いに大切な存在だったと気付くまでには時間がかかり、大変な回り道をしたとしても、いったんそれに気付いたらばそういうものを失ってはならないのだ、ということだなあと思った。

戦友の恋 (角川文庫)

大島 真寿美 / 角川書店(角川グループパブリッシング)

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by k_hankichi | 2012-03-25 17:37 | | Trackback | Comments(2)

ポトマック河畔の桜

家人のひとりが2週間ほどのホームステイを終えて帰ってきた。高校1年といえば僕は卓球部の春練習の合間に、秋葉原の石丸電気のレコード売り場をうろついていたぐらいだから、米国の見も知らぬ家に泊まりに出かけられる、度胸というか怖いもの知らずには感心する。そのご家庭の子とべったり行動は共にしていたそうだが、その子が出席する高校の授業にもすべて出ていたらしいので、それにもなお驚く。

なにも畏れぬことがいちばんなのかもしれないなあと思いながら、家人が見てきたというポトマック河畔のソメイヨシノの桜並木の写真を眺め、ひとあし早い花見気分に浸った。

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by k_hankichi | 2012-03-25 09:20 | 街角・風物 | Trackback | Comments(2)

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