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マックスウェルハウス・コーヒー
またまたレオン・フライシャーで恐縮だけれど、そこからマックスウェルハウス・コーヒーまで繋げてゆく。川本さんの本からの触発で尻取りゲーム風に。

“Two Hands”というアルバムでは、ピアニストへのインタビューがライナーノーツになっていた。そのなかに次のような事柄が頭から離れなかった。シューベルトのピアノソナタ第21番変ロ長調D960についてのこと。

おおむね訳すと次のようになる。

“ある意味、私にとってこのシューベルトは成人の音楽だった。というのもシュナーベルが私を追っ払ったあとに最初に勉強した曲だったから。シュナーベルの前で弾いたことはなかったし、彼のところを離れたときにはテープレコーダーやそういう類のもので録音したものもなかったので、いつもヨタヨタになりながら部屋をあとにしたレッスンで授かった沢山の知見を失くしたと思った。そのあとの何年かは、大海の真っ只中で救命具もないままに漂っていた。

その難局から抜け出ようと選んだのはヨーロッパ行き。1950年にユージン・イストミンと私はおんぼろオランダ定期船・Veendam(フェーンダム)号の一等席を予約しパリに向かった。イストミンはカザルスのところでの演奏に向かっていて、わたしはただそこに金魚のフンのように付いていた。

着いたあとの、或る場面を思い出す。この変ロ長調を弾き始めていて或る種の神聖さ気高さを感じていた。曲を修得しようとしたときに立ちはだかったのは、どう弾くべきかということ。まさにそんなとき、大きな出来事が起きた。あのマックスウェルハウス・コーヒーの(TV)コマーシャルのパーコレータのように、小さな泡がフツフツと頭のなかに沸きだしたのだ。そしてシュナーベルの言葉が蘇ってきた。すこしづつ浮かんできた。彼が言ったことを私は何ら忘れていなかった。

それは「隠れていたものを浮き立たせなさい、あぶりだしなさい」ということだった。そしてそれを思い出したとき、それこそがシュナーベル自身の答えなのだと気づいた。そしてまた、語られなかったこともあると分かった。それは、泡が啓発的にフツフツと次から次に沸くように、弾き方には色々あるということ。

そうして違う弾き方にしてみようと試してみたら上手くいった。言い換えてみれば、私はシューベルトのピアノソナタ変ロ長調とともに、一連の研鑽のプロセスが回り始めたのだ。”

話はこのあと、第二次世界大戦の「急降下爆撃機」が舞台となった映画に移って、その機がどう回生するかに移っていくのだけれど、そこで語られる重要なこと。それは難題に打ち勝つためには克服しよう突破しようとするのではなく、肩の力を抜くのだということ。それがその後の自分の人生を導いたとも語っている。

話がとても長くなったが、僕はこのマックスウェルハウス・コーヒーのコマーシャルのパーコレータ、というのがピンと来なくて謎に包まれた気分になっていた。子供のころそんなTVコマーシャルを見た覚えがなかったから。

YouTubeでそれを探すことが出来て、眺めたらどういうことを言っているのかようやっと分かった。沸騰した蒸気が跳ね返る部分が透明なガラスでできている。泡がフツフツと沸いて見える。「閃き!」みたいに躍動感があってお洒落だ。

もうひと捻りしないと坪ちゃん的な話のオチにならないが、このガラストップの設計のパーコレータが欲しくなって探し始めたところで終わりにする。


■Maxwell House Coffee - Just Listen - Vintage Commercial - 1950s - 1960s


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by k_hankichi | 2021-05-03 00:16 | 食べ物 | Trackback | Comments(4)
Commented by maru33340 at 2021-05-03 08:15
マックスウェルハウス・コーヒーの小さな泡の話からドラマ『珈琲どうでしょう』の話になりました。

中村倫也主演のドラマで彼が入れる珈琲がとても美味しそうで、僕も再びペーパーフィルターで珈琲を入れるようになった。

確かに手間はかかるけれど「手塩にかける」とはこのことで、おそらく味は器械で入れるのと変わらないかも知れないけれど、時間と手間をかけた分美味しく感じるのは時間のもたらす魔法かも知れず、それがまさにシュナーベルがレオン・フライシャーの語った「隠れていたものを浮き立たせなさい、あぶりだしなさい」という言葉で言いたかったことかも知れない。
Commented by k_hankichi at 2021-05-03 08:37
「珈琲どうでしょう」の話は「おちょやん」に繋がります。

中村倫也は優しい眼差しと手つきで実に旨そうな珈琲を入れてくれます。入れながらも彼はお客さんの様子を見逃さない。そして相手の悩みや困りごとを察知するとしっかりとそれを受け止め相手のためになることを仕掛けてくれる。

まさに竹井千代がラジオドラマのなかで子供たちの小さな喧嘩をなだめたり、緊張していた長女の京子に声を掛けて笑顔をよみがえらしたりしていることと同じ。

局所性ジストニア患っていたレオン・フライシャーも、もしかしたら「おちょやん」のような人を待っていたのかもしれません。
Commented by madamegrimm at 2021-05-03 12:04
あー、何かいいな~・・・。
シューベルトのピアノソナタからの連想!おちょやんまでに^^
マックスウェルの珈琲沸かし器どちらかのキャフェで見たことあります。どこでしたか・・・
フライシャー氏の師シュナーベルの言葉、まるでふつふつと沸くお二人の会話にも(^_^)v
Commented by k_hankichi at 2021-05-03 15:18
おようさん、繋がります、はい繋がります!
マックスウェルハウスのコーヒーメーカー、欲しいなあ。デザインが良いなあ!