映画『祇園祭』を観た。これは素晴らしい時代絵巻だった。
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https://ja.m.wikipedia.org/wiki/祇園祭_(1968年の映画)
当時の五社協定外の製作だから、一流俳優たちがこぞって集い、中身を盛り上げている。邦画ロードショーの観客動員新記録を立てたそうだ。三船敏郎の演技は別格に凄い。
ストーリーはこんな感じだ。
応仁の乱のあと、田畑は荒廃し、市井は荒れ果て、「徳政」(年貢減免)を訴える百姓たちが都に押し寄せ、受け入れられぬと狼藉を働き、人々のこころも荒廃していた。
そんなとき、町にすむ染め物職人・新吉(中村錦之助)は若き美貌の娘・あやめ(岩下志麻)に出会う。彼女は河原者の庭師・善阿弥の娘だったが、自然の音に啓示を受けた美しい笛を奏でることが出来、男をさらに魅了した。
そして牽かれる気持ちは女も同じだった。二人はすぐに結ばれて、ますます気持ちは昂ってゆく。
男と女は身分の違いに苦しむ。しかし牽かれあう気持ちに偽りはなく、互いにその気持ちを確かめてゆく。
そんな一方で、細川家は百姓一揆に対抗すべく、言葉巧みに町人たちを、にわか武士に仕立てあげ手先として使う。しかしその無為さを悟った町人たちは、血で血を洗う争いから身を引き、新たな希望を持てるように、と祇園祭の再興を企て軌道に載せる。
荷役運搬を仕事とする馬借の頭取・熊左(三船敏郎)が、豪快にそれを助太刀してゆく。
そんななか、没落した宮家が京に戻ってきて、御所再建の金銭を町人たちに要求する。さもなくば、祇園祭は執り行わせないと脅す。しかし新吉たちは、それをものともせず、神官なしでの町人による祇園イベントを開催中することにする。
大勢の掛け声と絢爛豪華ないでたちのなか、祇園の山鉾を引き街区を突き進んでいった。
奏でられる音楽は、女が男に教えた笛の旋律。それは京の町にどこまでもどこまでも、染み渡っていった。
◼️監督: 山内鉄也
◼️製作: 日本映画復興協会、1968年
◼️出演: 以下の通り。