観る者への問いかけを残す秀作『さらば愛しきアウトロー』
ロバート・レッドフォードは、ハリウッドの主軸のスタジオとは距離を置き、サンダンス映画祭を主催し、俳優としても監督としても独自の世界を築き続けている。
そんなアウトローとして生き続けた俳優の集大成のような作品だった。『さらば愛しきアウトロー』(原題: The Old Man & the Gun)。
人に危害を加えない銀行強盗を繰り返し、捕らえられても脱獄し、また新たに難易度の高い銀行に挑もうとする男。
「ジェントルマンでした」、「微笑んでいました」、「楽しそうでした」。対応した銀行マンや窓口の女性は口々にそういう。
愛しい女性が現れても、男はやはり自分の夢に突き進む。女性はそれを知りなから男を許す。
久々に心か洗われる作品だった。
その清々しさのなかには、少しだけの溜め息が交じっていた。自分はこれからどれだけ男のロマンに挑むことができるのか、という問いなのたと思った。
観たあとに飲んだハイボールは格別だった。