「そりゃ、気の抜けた炭酸水というんだよ。それに似た音盤を僕も以前買って、ふんにゃ〜という気分になって閉口した覚えがある。Hankichi君、それ、買うたらあかんあかん。」
友人の言葉に、まさに言えて妙と思った。なるほど気の抜けた炭酸水だ。思えば思うほど残念無念な気持ちで一杯になってくる。
悔しいから、夜にもう一度聞き直している。吹奏楽五重奏版のラヴェルの弦楽四重奏曲と『マ・メール・ロワ』『ソナチネ』。
ああ、こりゃ困った。こういう時間に聴くと、気の抜けた発泡酒という感じだ。気の抜けたシャンパンならば、味わい深いワインと化すのになあ。
困ってしまってワンワン、ワ、ワン。雪も止んだ寒空に吠えたい気分になった。
■演奏
The Orlando Quintet
■収録
2012.12.21-23, De Westvest90-jerk, Schidam, The Netherland
■音盤
Brilliant Classics 94772
追伸:
友人が言っていた気の抜けた炭酸水のラヴェルのピアノ協奏曲の音盤。棚を探してみたら僕も持っていた。もう一度聴いてみたら、ますます哀しくなってきた。
■気の抜けた炭酸水
■件の音盤(室内楽版のピアノ協奏曲など)