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『ドビュッシー最後の一年』に驚く
ドビュッシーの最後の一年というのは、愛娘シュシュに目を細めながら、素晴らしき作品たちを送り出した余韻に浸りながらゆっくりと静かに終わったように思い込んでいた。それがどうもまるでちがうのだということを、ようやく知ったのが今だった。

『ドビュッシー最後の一年』(青柳いずみこ、中央公論新社)。

晩年も音楽にさまざまな試みを施し、舞台音楽にも工夫を凝らし、歩み、いや疾走しつづけたドビュッシー。

それまでの友や親しき人であろうとも、音楽についての考えを異にしてしまうと、口をつぐみ交歓を閉ざす気持ちの一徹さと激しさを持っていた。晩年まで本当に真剣に音楽に対峙していたのだ。

そんなドビュッシーも亡くなるときはやはり壮絶な苦しみだったようで、しかし、それが終わったとき、ヤコブの梯子が下りてきたことも感じられた。

「パパは幸せそうな、ああ、とても、幸せそうな様子をしていて、その時には涙を抑える勇気がなくて、ほとんど倒れそうになり、パパに口づけできなかった」

シュシュはパパの亡骸を前にしたときの気持ちをそう書いたという。そのシュシュもまた翌年に亡くなってしまったのだということを、青柳さんの本を読んで初めて知った。しかし天国で二人が一緒になれたことを思うと、それも一つの安堵だ。

『聖セバスチャンの殉教』の初演を前にドビュッシーが語ったことも僕には新鮮だった。まるで吉田健一が「時間」について書き連ねているかのようだ。

時間の流れ移ろいのなかに空や雲の色や様子が刻々と変わっていく様子が素晴らしいという。音楽というのは、そういうときの心の反応のように、いきなり昔の記憶の欠片が浮かび上がったり、またそれに呼応して次の新たな何かを呼び起こすような、そういう結果の表出なのだという。

没後100年にこの本を出してくれた青柳さんに深く感謝する。


『ドビュッシー最後の一年』に驚く_c0193136_16443201.jpg


by k_hankichi | 2018-12-16 15:52 | | Trackback | Comments(6)
Commented by s_numabe at 2018-12-16 18:26
ほんとうに深いところまで味読してくださったことを、著者になりかわり、またドビュッシーになりかわり、心から感謝いたします。
今年の記念年は、一月に青柳さんからの依頼でCD《ドビュッシーの墓》のライナーノーツを必死の思いで執筆し、三月にはその発売記念を兼ねた「命日前日コンサート」ではロビーでの資料展示を担当、六月にはやはり彼女のCDブック《ドビュッシーのおもちゃ箱》のテキスト後半部分を書く機会を得ました。
青柳さんのお陰で、自分なりにドビュッシー歿後百年を有意義に過ごせました。でも、しんどかったなあ! 素人にはいささか荷が重いことばかりでした。
Commented by k_hankichi at 2018-12-16 18:58
沼辺さんのご尽力が、没後100年を有形無形で有意義なものにさせ、世の中にも寄与されたと思います。本当にありがとうございました。沼辺さん、素人とはご謙遜です。
Commented by Oyo- at 2018-12-16 19:51 x
わたくしも読まなければ^^
知人のクリスマスコンサートは歿後100年のドビュッシーシリーズの演奏会が予定されています(*^^)v
Commented by k_hankichi at 2018-12-16 20:26
おようさん、すごいクリスマスコンサートですね!青柳さんの本、よい刺激になると思います。
Commented by maru33340 at 2018-12-16 20:28
この本を読んで僕はドビュッシーのこと何にも知らなかったのだと、思いました。
人は生涯学び続ける生き物、なのだと思います。
Commented by k_hankichi at 2018-12-17 00:46
maruさん、本当に、まさしく僕もそう思いました。まだまだ学び、楽しみましょう。