あたかも車窓から外を眺める女の絵のようだな、と思った。FOUJITAの展覧会の車内広告だ。
ガラスを通して向かいの線路だとかホームだとかが映っていて、そこには旅情のような雰囲気まで醸し出されている。
ああ、東京で見たあの絵が関西に来ている。もう一度観てみたい。
しかしあの『アッツ島玉砕』の大作が東北地方を巡回したのは、戦時中だったっけ。あのあと玉砕は更に激しさを増していった。
いま、平和の時代にそれが西に巡業している。あの絵が巡回・巡業して大丈夫だろうか。何か悪いことが、転げ落ちるように拍車がかからないだろうか。
平成の時代の最後。
名称はともかく、つぎも平成になってほしいと希求する。