東京ことばの成り立ち

関西への出張も増えたが、なかなか言葉に慣れなくて、それをどうしたものかものかと当惑していた。

そもそも東京ことばしか喋れないのがいけないのだけれども、そうかといって無理に真似をしても却って変で、それどころか失礼なことにもなってしまう。

そんなことを考えながらこの本を読んだ。東京ことばとは一体何なのかの探索だ。『東京語のゆくえ』(國學院大學日本文化研究所、東京堂出版)。副題は「江戸語から東京語、東京語からスタンダード日本語へ」だ。

“もともと東日本は、そんなに敬語というものがなかった地域です。そこに関西系の体系的な敬語をもったことばが行われるようになった。そうすると、周りからみると江戸のことばは、「ああ、あれ江戸もんだよ」と、自分たちとことばが違うよということになるわけです。そういうのを「江戸ことば」というわけです。「江戸ことば」ということばができたのは元禄の初め頃だろうと、(以下略)”

“「デス」「デシヤウ」なんという動詞は昔は侍の家などでは決して使わなかった。(中略)「デス」なんかが標準語の非常に大事な部分を占めたということになると、山の手ことばというのは少なくとも武士ことばの直系だとは言えないのではないかと思うのです。”(以上「東京語と標準語」田中章夫、より)

日本の言葉や方言の語源というのはとてもむつかしいらしい。

前述の「デス」は「ダ」「デアル」を丁寧に言い表すために、江戸語が武士語の影響を受けつつ作られた言い方の「デゴザリマス」を胴斬りにした形だという。不具合な言葉なのだけれども結果的に流布して使われていった。

これ意外にも事例はたくさん研究されていて、ことばというのは、科学のように面白いものなのだと、いまごろになって感心した。


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Commented by saheizi-inokori at 2018-10-23 21:02
狂言に「~で~す」という言い方があったような気がするなア。
Commented by k_hankichi at 2018-10-23 22:54
saheiziさん、それは江戸言葉の走りなのかもしれません。
by k_hankichi | 2018-10-23 18:02 | | Trackback | Comments(2)