『あの家に暮らす四人の女』のこと
2018年 08月 30日母親のワガママさは、さながら僕の実家の母そのもので、買い物と言えば簡単な用でも直ぐに新宿の伊勢丹に出かける(だからこの僕も重度の伊勢丹病だ)。
娘は刺繍の世界にしか存在感を持てず、そのほかの全てに対していい加減だ。男との付き合いも少なく、もはやその毛はこれっぽっちもない。
転がり込んで来た二人のOLは、同じ職場で働いている。キャリアウーマン派の先輩にあこがれる後輩は、それこそ男に貢ぐ派で気持ちがすぐに流される。
そんな四人の周りのたわいもない日常から奇々怪界な出来事まで、昭和のホームドラマのような建てつけで展開する。それらのさまは、著者の口から語られるだけでなく、その地域を飛び回る「善福丸」という名のカラスが語ったり、様々な人の霊が語ったりする。
その家のことを家の中で、そして上空から仔細に見ている感じで、既視感と馴染み感でいっぱいになる。
この先彼女たちはどうなっていくのか。続編があれば読んでみたくなってしまうあと味だった。
ちなみに来年、TVドラマ化されるそうで、是が非でも観てみたい。
私の感じからは、
母親(鶴代): 宮本信子
娘(佐知): 宮崎あおい
友人(雪乃): 木村文乃
友人の後輩(多恵美): 二階堂ふみ
だろうかな。

その布陣で是非観てみたい。

おようさん、観る前に読みましょう。