希望という名の淡い静かな心の打ち震え・・・『万引き家族』
ようやく映画『万引き家族』を観た。ストーリーを知らずにいたけれども、この日本の、そして世界の世知辛い風情のなかに評価された訳が分かった。
家族とはいっても、本当の家族関係にある者は誰も居ない。誰もが傷を負っている。しかしそれでもここにある人たちは世の中の多くの家族よりもずっと家族らしいということに、観ている人たちは気づかされていく。
映画は、何らかの気配を感じ取った幼女が、ハッとしてバルコニーから目を開いて外を眺めやるシーンで終わる。
僕らは自然に気づく。それこそが「希望」という名の、淡くてしかししっかりとした心の打ち震えだということに。