触れ合いたくても見えない壁があって、一歩も踏み出せないことが多い。子供でも大人でもそうなのだけど、この映画の主人公(イライザ、サリー・ホーキンズ演じる)はさらに大きな障害がある。声帯が機能せず口が利けないのだ。
そんなイライザが出会った相手は、アマゾンの奥地で発見され米国の軍事研究所に連れてこられていた。初めは互いに驚き戸惑うのだけれど、すぐに近づきはじめ、気持ちを通わせるようになっていく。
時代は米ソ冷戦の最中の1960年代半ば。彼は両国の戦略のなかの切り札候補の一つとなり、引きずりこまれてゆくそのなかで二人は・・・。
恋するものたちはどんな障害をも乗り越えられる。大人のSF恋愛ファンタジーとして素晴らしい作品だった。