モーツァルトが怒りを鎮めゆく映画『スリー・ビルボード』
評判の映画『スリー・ビルボード』(原題:
Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)を観た。アメリカの現代の西部劇だった。
主演女優のフランシス・マクドーマンド(ミルドレッド・ヘイズ役)は、家の近くの道端で娘を殺された。怒りの矛先を警察署長に向けて、3枚の屋外看板に挑発的なメッセージを掲載する。
署長や警察官は「そうはいっても、やることはやってるよ、でも限界はあるしさ」という態度で反発する。
対するミルドレッドはクリント・イーストウッド張りのニヒルさで、そのいい加減な警察官たちとバトルを展開していく。痛快千万なやりとりだ。
ミルドレッドが怒りをおさめるシーンがある。小洒落たレストランだ。BGMはモーツァルトのピアノソナタ第1番ハ長調K279の第2楽章。
怒りを鎮めることによってミルドレッドはどうなっていくのか。明日への一筋の希望が光るラストだった。
■演奏者は異なるもしれないが久しぶりに聴きはじめたモーツァルト。