新たな種目をオリンピックに入れてはどうか

今回のオリンピックをテレビ観戦したり北朝鮮訪問団、南北統一チームの話題を観ながら、こういうことも読んでおくとよいよ、と人々に吹聴したくなった。ブログ友人のsaheiziさんの書評を見て読了した『「在日」を生きる  ある詩人の闘争史』(金時鐘、佐高信、集英社新書)。

戦前、韓国・釜山に生まれ、済州島事件で命からがら日本に移り住み、日本語で様々な著作活動をされてきた金さんが、その心情を対談のなかで吐露していく。

日本の小説家たちに対する視点も厳しく鋭い。例えば次のようだ。

佐高: 私は、自分が対立してきたのは、象徴的に言うと三島由紀夫だと思っているんです。
金: 三島由紀夫のことは前にも話しましたが、日本ではいやに美化されるでしょう。本当に不思議なことだと思います。佐高: 時鐘さんにとっても三島は主敵の一つだったんですか?
金: 彼の師匠にあたるのが川端康成でしょう。三島由紀夫が川端康成に憧れるというのは、彼もそういう体質と感覚を持っているということですよ。川端康成がノーベル賞を取ったのも、一種の異国情緒みたいなものが評価されたのだと僕は思います。ノーベル平和賞は冷戦時代、ソビエト社会主義圏と対立させるために、反共的な人に与えていましたけどね。川端康成の文章は、いかにも日本的自然主義文学こお手本のような、流麗に冴えた文体ですね。僕も少年期をとおして、ああいう日本語の文章でないといけないと思ってきました。
(中略)
佐高: 文学の戦争責任というのは根が深い。情感を煽動したわけですから、相当に深く斬り込んでいかないと批判しつくせないですね。

政治ぎ持ち込まれることに対して、ああだこうだと議論が巻き起こるが、スポーツ競技も必ず国と国の戦いになっていて、どうも矛盾を感じる。国別競技やら国旗掲揚も止められないのであれば、文学や哲学についての知恵も蓄えながらの、新たな競技種目(口頭論戦、ジェスチャー入り論戦、観客の賛同拍手で加点など)もあってもよいのかもしれない。

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Commented by saheizi-inokori at 2018-02-13 22:38
金時鐘「朝鮮と日本に生きる」(岩波新書)もお薦めします、もうお読みになったかな。
Commented by k_hankichi at 2018-02-14 06:26
> saheizi-inokoriさん
saheiziさん、まだ読んでいません。さっそく求めたく。
by k_hankichi | 2018-02-13 06:38 | | Trackback | Comments(2)