生きる咆哮と生の讃歌・・・ロジェストヴェンスキーによるシベリウス
あまり馴染んでいなかった指揮者とオーケストラだったのだけれど、まさに度肝を抜かれて、これまで僕がもっていたこ作曲家の曲に対する認識を根底から覆された。
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮、モスクワ放送交響楽団によるシベリウスの交響曲全集は、これまで接してきてそう思いこんていた静かなる北の大地の透徹な精神世界とは全く隔絶した、生きる咆哮と凄まじき歓喜の歌だった。
凡ゆる音魂は叫び、弦も管も打も、それぞれが迸る律動と脈動に唸りを上げている。
北の地の曲を寒い国の人たちが奏でているのだけれど、何がこれほどまでに心を熱くさせ、嬉しくて堪らない気持ちにさせるのか。
実はちょっと苦手だったこれらの曲たちは、この世知辛い世の中を歩む僕の、これからの絶大な応援伴走者になってくれるということを悟った。誰から教えられなくても。
あまりにも素晴らしいので、この作曲家が好きな友人に知らせたのだけれど、如何に感じただろうか。
■録音
1969〜1974年
■音盤
露メロディア MEL CD 10 01669