秋の神田古本市で、堀内敬三による名曲解説『音楽の泉』が揃いであった。友人が経営している店でありまた美本5冊で500円とあれば買わない理由は無い。
初版は昭和28年。ラジオでの放送はそれよりも少し前だから、少なくとも65年前の解説だ。
読み始めるとこれは面白い。曲そのものの楽しみを、易しく噛み砕いて教えてくれる。演奏家やらオーケストラがどうだこうだは程々に説明される。
今となってはあまり取り沙汰されない曲やら演奏家もあったり、久しく聴いていなかった作品が突然出てきたりする。
ヘンデルの「ラルゴ」も久しぶりだった。カルーソーが吹き込んだものを聴いている。成る程、たっぷりとした歌いっぷり。そしてキャスリーン・バトルを聴いてみて改めて恍惚となる。
温故知新。古き教えはとても大切におもった。