シェーンベルクの音盤が見つからず、グールドのピアノ演奏集をネットで発注したところで、古いモノラル録音のものがあったことを思い出し、静かに聴き始めた。
1曲目はベルクのピアノソナタ 作品1。このオッかない、さみしい、遥か彼方の惑星のさらにその先に放り出される様な旋律に、僕はいつも身震いして、その先をあまり聴いていなかった。
熱心に聴かずでもBGM的に流していて、ふと旋律が心地よく感じられる瞬間をつかめられればそれでよいのだ、というようなことが先に読んだ本に書いてあったから、そのままシェーンベルクの作品集に音楽が移るままに流していた。
ジャズだった。
それが「ピアノ組曲 作品25」というものだった。
いまも小さく震えるようになっているのだけれど、それが少しづつ心地よいものとして浸透してゆく。