またまた秋津温泉で恐縮。「シューベルトとブラームスを合わせたような弦楽四重奏曲的なもので、それが渓谷の深まる秋、そして、燃え上がる春の情景ととても合っていて」というような印象だったあの音楽のことが忘れられない。
冒頭では一瞬、小津映画の曲想か、というものがかすめるが、それはすぐに異なる様相に転じて、不安と震え、そしてそこのなかから微かに光っている希望が見いだされていく感覚。
ストーリーの展開が始まる前から、その全体が予感できるほどで、ドラマのなかでの音楽の重要な位置づけが、よくわかる。
■Theme from "Akitu Springs"