都心の銭湯を独占し映画に出てくるような居酒屋を楽しんだ
橋を渡れば大手町で、皇居ランナーたちが跋扈する混雑度が想像できて、だからずっと避けていた。今日は絶対に狙い目だと見定めて、大雨振るなか目指したのが内神田の銭湯『稲荷湯』だった。→
http://www.1010.or.jp/mag-tokyosento-inariyu/暖簾をくぐって入ってみると、やさしそうな女将さんがカウンターに座っていた。銭湯巡礼のスタンプ帳を差し出せば、ここに押すね、としっかりと押印してくれる。気さくな雰囲気に胸を躍らせ中に入ると、人っ子一人居ない。
ジェットバスもある湯船を独占し、あちらこちらと動き回り、唸り声を挙げながら42℃の湯を楽しんだ。酒を飲む前の銭湯が最高なことは言うまでもない。
そして足を延ばしたのが、鶯谷の『鍵屋』。大分前に雑誌で目にしてから、いつか訪れてみたいと思っていたのだけれど、黒板の壁と板塀が美しい外観、内装、そして大将と女将さんの職人気質な接客に、酒を飲まずとも唸り声を挙げた。
瓶ビールのあとは、辛口の燗酒(大関)を頼み続け、いつしかその場は昭和大正に戻っていく。歴史が刻んだ素朴な味に、心身にまだ残っていた疲れも雲散霧消していった。