「私たちの存在は私たち自身の記憶にほかならない。記憶こそ私たちの魂、記憶を失えば私たちは魂を失う」
ウンベルト・エーコは言う。いっぽうで、人は簡単に記憶を失う。人の記憶はあてにならない。そのようにも彼は考えている。だからこそ記憶を失ってはならない、と彼は繰り返している。
ミラノの自宅で撮影されたこの映像のなかでエーコは、迷宮のようになっている書架に囲まれたなかで、自分自身の持つ記憶を紡ぎ出すかのように語っている。
何度も観ているうちに、僕も自分の記憶ということがどれだけ確かなのか分からなくなり、なんだかとても不安になった。
※以下、2015年のヴェネツィア・ビエンナーレ美術展のイタリア館展示ビデオ。
■Umberto Eco, Sulla memoria. Una conversazione in tre parti, 2015. Parte 1. Regia di Davide Ferrario →
https://youtu.be/Hq66X9f-zgc
■Part 2.
https://youtu.be/zj1kwT87ne0
■Part 3. →
https://youtu.be/B-M8V0PcCrw