『あやしい彼女』で多部未華子に魅せられた

多部未華子のことを此れまでずっと、中途半端な女優だと見くびっていた。そしてそのことは、この映画を観て、根底から覆された。

『あやしい彼女』(監督:水田伸生、製作:松竹、2016年)のことである。→http://ayakano.jp/index.html?ref=april

73歳の毒舌おばあちゃん・瀬山カツ(倍賞美津子)が、あることをきっかけに20歳の頃の自分の姿(多部未華子)に戻ってしまう。嬉しさのあまりカットサロンに入り、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンと同じ髪型にしてくださいという。その仕草や振る舞いはまさにヘップバーンに通じる。カツは、自分の身元がばれないように、大鳥(オードリー)節子と名乗り自分を偽る。そのことを娘(瀬山幸恵、小林聡美が演じる)や孫(瀬山翼、北村匠海が演じる)も気づかない。そしてまた小さいころから一緒に生きてきた友人(中田次郎、志賀廣太郎が演じる)も気づかない。

のど自慢大会では「見上げてごらん夜の星を」を歌い上げ、聴衆の心を掴む。多部の歌いかたは、どこまでも素朴で純粋だ。アカペラとしても通じるほどだ。その歌声に惚れた孫や音楽プロデューサー(小林拓人、要潤が演じる)により、カツはバンドの専属歌手を務めるようになる。「真っ赤な太陽」や「悲しくてやりきれない」を素朴に美しく歌うさまがとても心地よい。彼らは東京ロックバンドフェスティバルへの出場が叶えられ、その当日に・・・。

出張中の機内なのに、最後は溢れる涙に最早どうしようもない。キャビンアテンダントがこちらを見て訝しそうにしながら通路を通り過ぎてゆく。

澄んだ心と優しさ、そしてちょっとばかりテンポがずれたナチュラルさ。そしていつも少しだけ上目づかいになっている視線の色気。そういう彼女の真骨頂に出会って魅入られた作品だった。

■作品トレイラー →https://youtu.be/YWdG3LjHVOw

■多部未華子、切ない歌唱シーンを公開 →https://youtu.be/LHwPES7FB4E

 
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by k_hankichi | 2016-07-10 09:18 | 映画 | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2016-07-10 09:55
おやまあ、多部未華子はデビュー当時からとても良い女優やで。映画『ピース・オブ・ケイク』も是非ご覧あれ。
Commented by k_hankichi at 2016-07-10 10:12
maruさん、そうなのですね。そちらの作品も観てみたい。


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