友人が関係しているアートハウスで、昨年後半に「香水瓶の世紀」展が開かれていたことを思いだした。
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http://event.japandesign.ne.jp/2015/06/7892/展覧会が開催されているときには、あまり関心がなかったのだけれど、やっとその意味が分かり始めている。
年末に或る切っ掛けからオードトワレを買い求めることになり、付け方やらなにやら覚束ないまま、見様見真似で(といっても真似る人が居ないのだけども)、数回試したりしていた。すこし調べてみたら、使い方はいろいろ工夫が要るようで、そういうところからエチケットの始まりであるような具合。
“化粧品を人間の嗅覚、触覚、視覚に訴える特別な感性的価値を生み出すことができる『工藝芸術品』”と福原信三さんは捉えていたそうで、たしかに香水はその香りだけでなく、色彩や色合い、ボトルのデザインなど、複数の感性を刺激する。噴霧する際の音だって、耳を心地よく刺激するから聴覚に対しても訴えている。
件の美術展の資料によると、バカラやルネ・ラリックらもが競って瓶を製作していたそうで、それらも見るからに美しい。これは香りだけではなくて総合的なる文化なのだ、と心の底から分かったのも使ってみたからで、だから友人には、遅くなってごめん、という気持ちと共にとても感謝したいと思った。