エレン・バースティンのなかに真髄がある・・『The Age of Adeline』
愛は無限だというサブタイトルが入った映画『アデライン、百年目の恋(原題:The Age of Adeline)』
http://adaline100.jp/ を、先週の機中で観ていた。歳を取る、歳を重ねる、ということについて、ちょっと深く考えさせられた作品だった。最近、齢を重ねるほどに老いを増し容姿も変わっていく自分自身に、ため息をついていたのだけれど。
主演はブレイク・ライヴリー(Blake Lively)というとろけるような美しい女優。作品の中で彼女は年齢を感じさせない。それもそのはず、彼女は年を重ねても老けていかない、という人間になってしまっていたからだ。
さて、そんななかの一番の衝撃は、アラン・レネ監督の名作『プロビデンス(Provicence)』(1977年)でダーク・ボガードと共演したエレン・バースティンが、主人公の娘・フレミング役(しかし年齢は年老いている)を演じている姿だった。
彼女は実年齢は82歳。作品のなかで、年老いてもとても愛らしい表情を示し、しかし確固たる意思をも持っていた。年齢を重ねることのなかにこそ美しさがあるのだ、ということを改めて認識して溜息が出た。この作品の真髄は、実はここにあるのだと思う。
※次のサイトに、作品『プロビデンス』での彼女の姿がある。
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http://iwiz-movies.c.yimg.jp/c/movies/pict/p/p/e9/65/145133_01.jpg
『アデライン、百年目の恋』のほうは次のように展開する(但し前半だけ)。後半はネタバレになるので書かない。
1908年、サンフランシスコで生まれたアデライン・ボウマン(ブレイク・ライヴリー演じる)は、1929年、21歳で夫と結婚する。3年後に娘・フレミングを授かるが、結婚8年目のとき、夫を建設現場の事故で亡くしてしまう。その10か月後、彼女はソノマ郡で雪の降る悪天候のなか一人自動車を走らせていた。彼女は運転を誤り、車は横転し死に遭遇し、そして心臓が止まる。
体温は87°Fそのとき雷が自動車を直撃する。アデラインの全身に電流が流れた。0.5Billion ボルトで60000アンペアだ。そして彼女の細胞は劣化をする機能を失う。(このメカニズムは2035年に見いだされたと説明が流れる。)
「老いる」ということが無くなってしまい、いつまでたっても29歳の容姿のままでいるアデラインは、娘と二人でソノマ郡で暮らしていく。娘だけは年々成長しやがて姉妹のように見えるようになる(後注:このまま進んでSF映画になるのかと思った)。1953年、戦争が終わった年、娘は21歳、彼女は45歳(のはず)。周囲の人たちは訝しい目で彼女を眺めるようになり、やがて警察による捜査が入りそうになる。
気づくや否や、彼女はサンフランシスコに転居する。医学大学での秘書の仕事を得る。彼女は独自に医学を学び、自分の状態が医学的には何ら証明することができないと分かる。
FBIによる医学的な調査をされそうになる。アデリンはそこから逃れ、10年ごとに名前と住処を変え、年を経ていく。彼女は依然として年齢をとらない。2014年。今の彼女は、サンフランシスコの中華街に暮らす。名前はジェニファー・ラーソン。
2015年の新年。サンフランシスコのカイトヒルで開かれたNew Year’s Partyで、彼女は運命の男・エリスと出会う。二人は互いに惹きあい、愛し合うようになる。そしてエリスは、彼女を両親の結婚40年記念パーティに誘う。しかし彼らは、そこであることに遭遇してしまう・・・。
■スタッフ
監督:リー・トランド・クリーガー
製作:シドニー・キンメル、トム・ローゼンベルグ、ゲイリー・ルチェッシ
音楽:ロブ・シモンセン
■出演
アデライン・ボウマン(ジェニファー・ラーソン):ブレイク・ライブリー(Blake Lively)
アデラインの恋人・エリス・ジョーンズ:マイケル・フイスマン(Michiel Huisman)
アデラインの昔の恋人・ウィリアム・ジョーンズ:ハリソン・フォード(Hurrison Ford)
アデラインの娘・フレミング:エレン・バースティン(Ellen Burstyn)
■製作
2015年、米国
■映画Trailer →
https://youtu.be/7UzSekc0LoQ
VIDEO
■映画『プロビデンス(Providence)』のポスター
From: https://en.wikipedia.org/wiki/Providence_(1977_film)#/media/File:Providence-poster.jpg