近ごろ日時が経るのが早く感じる。稲刈りが終わってしまっていることに気付いたかと思えば、はや運動会シーズンの盛りにあり、いつの間にか柿が実をなし、目を離しているうちにその枝からは全てが切り取られて隣近所に配られている。
毎週のように東京やら、みちのくに足を運び、たくさんの人と言葉を交わしながら、ふとこれは映画のフィルムの早送りのよう、と感じる。
今日は朝に多摩川の鉄橋を渡るところで、ああ確かこの川崎の丘を登ったあたりに西脇順三郎の詩碑があったよなあ、友と訪れたのはいつだったかなあと思う。
それは早35年は昔のことだったとわかり、回っていたフィルムが鈍速化したかと思ったらゆっくりと逆回転し始めるような感覚に陥る。
考えてみれば生きるというのは、フィルムが回ったり逆回転したり、行きつ戻りつするようなこんなことなのかもしれないなあ。