昨日は曇天のもと、東郷青児記念・損保ジャパン日本興亜美術館の『最後の印象派展 1900-20's Paris』を観る。ほとんどの画家のなまえすら知らず、印象派好きの僕、と思っていた自意識を砕かれた。
ウジューヌ・カリエール、エミール・クラウス、エミール=ルネ・メナール、ルネ・グザヴィエ・プリネ、エドモン・アマン=ジャン、アンリ・ル・シダネル、アンリ・デュエムなどなど、途方に暮れるほどの名前の羅列。しかし、たしかにこれらの作品の数々は、フランスの印象派だった。
一番心に残ったのは、アンリ・ル・シダネルの『日曜日』。これは夢見心地でそぞろ歩く女性たちの図で、ホイッスラーにも確かこういう構図の絵があったよなあ、と思いながら魅入った。
それから、同じシダネルの『コンコルド広場』。雨に濡れる夜の敷石が、ランプに照り返された美しい。たしかに夜のコンコルドはこういう感じなのだろうなあと、吐息をつく。
アンリ・デュエムの『羊飼いと羊の群れ、夕暮れの海岸』も、橙色から臙脂色に変わりゆく光が美しかった。
印象派の炎が最後に消えゆくその間際の、静かな情念を感じた。