大阪弁の勢いに圧倒される、混乱に伴う或る種の恍惚感
昨日は有明の東京ビッグサイトまで足を運んだ。「東京国際ブックフェア」。訪れるのは今年で3年目だ。→
http://www.bookfair.jp/
思いもかけなかった本を買い求め、これまで触れてこなかった種類の書籍を知り、見聴きしたことがなかった音盤と出会った(ここではCDも安価で販売されているのだ)。
そののち、「読書推進セミナー」を聴講。芥川賞、直木賞受賞の女流作家二人(柴崎友香、西加奈子)の対談と聞いて、すこしワクワクして会場に入った。『宝物になる「言葉」と出会うには?』、というテーマだ。
開始されてしばらくして、分かってきた。この方たちは、生粋の大阪人だったのだ。喋りに没頭する勢いがすごい。二人は同時に喋っていても会話が成立しているようだ。そのスピードも凄い。
「そーやな、そーやな、そやな」
対話という域を超えた、話と話しの連なり。日本かとおもえば、西洋に、西洋かと思えばアフリカに。喫茶店の隣のテーブルで、ただただ耳を澄ますことをせざるを得ない状況にあるような感覚になる。
「そーやな、そーやな、そやな」
そのなかで出てきたナイジェリアの女性作家、チママンダ・アディーチェの小説は、読んでみたくなった。
「そーやな、そーやな、そやな」
聞いている反面、自分の方の思考は委縮し、そこに座っている理由までも分からなくなるほど混沌とする。混乱に伴う或る種の恍惚感を味わった一時間だった。