飲み物を出されたり、自ら買い求めるたびに、じぶんの「さが」に思いを馳せる。そして複雑な気持ちになる。きっとカレーパンマンのような、ちょっと情けない顔つきになっているだろう。
「さが」とは一気に飲んでしまう、ということである。少しずつ味わって飲むことが出来ない。コーヒーのコマーシャルのような飲み方なんて逆立ちしても出来やしない。熱いものでも冷たいものでも。
■コーンポタージュスープを一気に飲む。
■焼酎ロックを一気に煽る。
■味噌汁を具をあまり確かめずに、ずずーっと飲み干す。
■マウント・レーニアというコーヒー飲料は、蓋を引き剥がして一気に飲む。
■お客さんの前でストローを使わずにアイスコーヒーをコップから飲んでいることに気付き、流石にストローを挿す(が時すでに遅し)。
■シャンパンが、くいっくいっと空く。
■赤ワインも同じである。
■バイチュウという強烈な中国酒でも大丈夫である。
■コーンフレークに牛乳をかけても、スプーンを使うのが面倒くさく、椀から飲み込む。
■トマトジュースは、早く飲みすぎて味が分からない。
「随分はやいね。」
「加減して飲めないの?」
「ごはんやおかずのまえに飲み終えてはバランス悪いわね。」
「一気ですか!」
(口をあけ、びっくりして、目をシバシバされる)
そういう反応がくる。
そのたびに、悲しくなる。訳が分からなくなる。どうしてなのかな。何故かな。繰り返しだな。
「さが」は直すことができないから「さが」という。この言葉の意味を噛み締めた。