なめし革のような音色のヴァイオリン・・・ルノー・カピュソン
クラシック音楽が好きだが演奏家の隆盛事情には詳しくない。慣れていないから、それ故に新しい音色に遭遇して驚き目が覚めるような思いをする喜びがある。
ルノー・カピュソンという男性ヴァイオリニストがそうだった。
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http://www.renaudcapucon.com/
カティア・ブニアティシヴィリがピアノを務めていて、フランク、グリーグのヴァイオリンソナタ、ドボルジャークの4つのロマンティックな小品という良い組み合わせだったから買ってみたのだけれど、なめし革のように艶やかで、同時に骨太な音色に驚いた。
心地よさ。ジェントルマンの包容。この人の前世はバトラーか、はたまた髪結いだったのではないかと思うような繊細さも併せ持つ。
ブニアティシヴィリのピアノも挑発的で、カピュソンの弦に絡み付くようになっていて、はらはらする妖艶さがある。二人のちょっと際どい映像を空想してしまえるほどだ。
フランクは第二、第三楽章が特にそんな感じで、聴いているだけで唸りが出る。第四楽章はすでに親密になった二人のたゆたう昼下がりのような時間だ。
■収録:2014.4.28-30、カンプラ・オーディトリアム、ダリウス・ミヨー音楽院、エクス=アン=プロヴァンス
■音盤:仏エラート 082564250189
■演奏のYoutube →
http://youtu.be/gFnkRrV8ZRk