『セブン セブン セブン アンヌ再び・・・』(ひし美ゆり子)に心揺れ動かされる
ウルトラセブンの映像や音楽(シューマンのピアノ協奏曲)に触発されて、懐かしさがぶり返して思わず買い求めて一気に読んだ。『セブン セブン セブン アンヌ再び・・・』(ひし美ゆり子、小学館文庫)。
読んでみて、ウルトラセブンのドラマのストーリーのことは、ほとんど覚えていないことに気が付いた。しかし、アンヌ隊員の、あどけなさの残る、可憐でいて色香のある美しさとその声色のことだけは、鮮明に覚えている。
だいたいにおいて、アンヌの役柄を、この本を読んで初めて理解した。地球防衛のウルトラ警備隊に所属する医師だったのだ。あの制服に身を包んでいるから、コンバットなのかと思いきや、である。
それにしても、この美貌とスタイルは、小学校の低学年であろうとも参ってしまうことは、この歴史とこの僕の精神の状態が証明している。アンヌという名前がついたものには、延髄反応的に「憧憬」(おとなの女の人はかっこいいという憧憬)の心の炎が揺らめく。この気持ちの根源は、いつになってもどういうメカニズムなのかわかない。
説明のつきようのない憧憬(好きなのだという気持ち)というものが、この世には、ある。そのことだけは、わかる。