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他力のひかりのなかに包まれた時に出てくる念仏
『吉本隆明が語る親鸞』(東京糸井重里事務所)を読了。CDブックを聞きとおすのが難儀で、それを書き写したものが収録されている講演記の文字を追ったのだ。

自分の家系の宗派は浄土真宗なのだけれど、親鸞の教えというものにとんと触れたことがないばかりか、自分で仏教の教えにきちんと耳を傾けたこともないほどの不精者だから、文字を読んでもなかなか気持ちが入ってこない。それでもようやく、書いてあることの論理はわかるようになった。

嘘ついたら針千本飲ます、とか、悪いことをしたら地獄で閻魔さまに舌を抜かれる、と子供のころから母親からおどかされて育って、そしてそういう僕も、次の世代にそういうことを言い含めて怖がらせてきたから、つぎのような親鸞の理念には、目の玉が落ちそうになった。
 
“悪いことをしたから駄目だ、善いことをしたからいいなんて、少しも言っていない。どちらでも同じだ。悪いことしたって善いことしたって、人間のやる善悪なんてどうせ大したもんじゃない。だから悪いことをしたって浄土へゆける。もちろん善いことをしたって浄土へゆける。しかしそれは、悪いことを進んでやるということを意味しない。それから善いことを進んでやることがよいということも、少しも意味しない。そんなことはいずれにしろ大したことではない。他者に対する救済や奉仕というのは、もっと広漠とした規模の大きいものなんだ。つまり善悪とは、もっと規模が大きいものだ。だから、人間のやる善悪でもって善いことをしたから浄土へゆけるとか、悪いことをしたら浄土へゆけないとか、そんなことを言うのは嘘だと言っています。”(「未来に生きる親鸞」より)
 
“たとえば「至心に信楽(しんぎょう)する」という時の「信楽」という言葉に対して親鸞はこんな注釈を加えています。
「十ぺんでも念仏を称えたならば必ず浄土へ導いていくという仏の誓いを、二心なく真実だと思って疑わないことだ」
至心に信じるということに対する親鸞の理解の仕方は、
「自分の力や思いによるものではなく、はじめから終わりまで全部、阿弥陀如来の光のなかに包まれてしまう状態で、その願いがとげられる」
ということです。その「包まれてしまう」ことが重要で、それを他力という言葉でいっています。真実の信仰は、自分のほうから「こうすればこうなるに違いない」という計らいを一切出さない、あるいは、自分がなにか善い行いをすれば浄土へゆけるとか、一切考えない。ただその願いを込めた時にすでに、阿弥陀如来の光のなかに包まれてしまうという心の状態を実現する。そういう状態で念仏を十ぺんでも称えれば浄土へゆける、という意味合いです。願うところですでに弥陀の光のなかに包まれてしまうという状態が重要なんだという言い方で、親鸞はそれを他力、あるいは他力のなかの他力と註釈しています。
(中略)
「一生懸命信じて、仏の誓いを、疑うことなく念仏を称えたなら、その時すでにもう浄土へゆく道は決まっちゃうんだ。たった一ぺんでいいのかと問われたならば、もし一生懸命称えて、弥陀の誓いを疑わなかったら、一ぺんでいいんですよ」
ということを親鸞は言ってるんだと思います。おのずから他力の光のなかに包まれた時に出てくる念仏だったならば、それは回数の問題でもなく、場所の問題でもなく、時の問題でもないのです。”(「現代に生きる親鸞」より)

南無阿弥陀仏を唱えることがあっても、「疑わない」ほどには仏道を信じることはできていないから、こんなふうに気持ちをもっていくことは難しい。でも、親鸞の教えの斬新さ、ということだけはわかった。

あとは、吉本さんの講演のつづきを聞いてみよう。

吉本隆明が語る親鸞

吉本隆明 / 東京糸井重里事務所

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by k_hankichi | 2014-05-06 15:06 | | Trackback | Comments(9)
Commented by およう at 2014-05-06 16:50 x
同じく不精者の同宗派家系の私ですが、地方紙の連載小説で五木寛之が「親鸞」3部作を続けていて、その為にその新聞をとっているのでございます(^。^)
今日の場面はもう親鸞80歳をこえました^^
Commented by k_hankichi at 2014-05-06 17:15
おようさん、五木さんが連載しているのですね。吉本の本に年表が付いていました。80歳過ぎといえば、『浄土和讃』、『浄土高僧和讃』、『唯信鈔文意』、『浄土文類聚鈔』、『入出二門偈頌』を立て続けにあらわしたあとですね。まだまだ旺盛に教えをまとめつづけゆくようで、とにかくその勢いも含めておそれ多いです。
Commented by およう at 2014-05-06 17:53 x
はい、そうなんです。すごい方ですね。
ふっと前に読んだチェーホフの言葉に〈自分の本当の使命を自覚したらもう宗教学問芸術に寄ってしか満足できなくなる〉が頭をかすめました。
Commented by maru33340 at 2014-05-06 19:11
僕も北陸にいたとき親鸞を少し読みましたが、ほとんど忘れてしもうた。が、吉本さんの『最後の親鸞』は面白かった記憶がありますぞ。
Commented by k_hankichi at 2014-05-06 19:19
おようさん、チェーホフなるほど。僕らも音楽は、バッハや宗教曲にかなり傾注しはじめていますね。
Commented by k_hankichi at 2014-05-06 19:20
maruさん、最後の親鸞。難しそうだが、チャレンジしてみようかな。
Commented by maru33340 at 2014-05-06 19:26
おようさん
チェーホフの言葉良い言葉ですね。確か本居宣長も似た言葉を残していた記憶が、これまたうっすらありまする。
Commented by およう at 2014-05-06 22:22 x
本居宣長も^^そうなんですかー。もののあわれとチェーホフ・・ムム(^・^)
Commented by saheizi-inokori at 2014-05-06 22:27
仏教は救ってくれる神様はいない、自分で仏になるしかないのですね。
そのなかで親鸞の教えはどこかキリスト教に近いものがある。
でもやはり違うのですね、光に包まれるというのも「無」「空」を前提にしているのじゃないかな。