少しまえ、ゼレンカの宗教音楽を集中して聴いていた。ボヘミアのバッハと呼ばれた彼の音楽は、その名の通り、生きる悲哀と喜びをふたつ感じさせてくれる。
今朝は彼の管弦楽曲集を聴いている。
8声のシンフォニアと名がついたその曲は、バッハ的なる音階のなかに木管楽器が柔らかく溶け込む。
7声の序曲へ長調は、「幸いある度」という測り方があるとすれば、バッハの管弦楽組曲の上をゆく。
ソナタ第4番ト短調は、ハープシコードと木管楽器による哀歌で、オーボエという楽器をもし吹くことができるのなら、魂を込め楽しみたくなる。
ゼレンカ、あなたのなかにバッハがあり、極東の朝にも霧が晴れる。