今朝の新聞で、内田樹が参院選についての解釈をしていて、おもわずポンと手を打った。納得。
曰く、いくつか拾ってみる。
“近代の歴史は「単一政党の政策を100%実現した政権」よりも「さまざまな政党がいずれも不満顔であるような妥協案を採択してきた政権」のほうが大きな災厄をもたらさなかったと教えている。”
“ではなぜ日本人はそのような統一性の高い組織体に魅力を感じるようになったのか。それは人々が「スピード」と「効率」と「コストパフォーマンス」を政治に過剰に求めるようになとたからだ、というのが私の仮説である。”
“私はこの時間意識の変化を経済のグローバル化が政治過程に浸入してきたことの必然的帰結だと考えている。政治過程に企業経営と同じ感覚が持ち込まれたのである。”
“国民国家はおよそ孫子までの三代、「寿命百年」の生物を基準としておのれのふるまいの適否を判断する。「国家百年の計」とはそのことである。”
“古人はこのような未来を軽んじる時間意識のありようを「朝三暮四」と呼んだ。私たちは忘れてはならないのは、「朝三暮四」の決定に際して、猿たちは一斉に、即答した、ということである。”
今回の参院選での投票評決結果は、国民一同がそうなっていくのだよ、という警鐘だ。現政党は、原発の廃棄、年金の破綻対応、食料自給は後世がやることにして何も言及せず、目先の結果に焦点をあてる。
「荘子の教えは耳が痛い」と言うだけではいけない。