ゼレンカのレクイエム・ニ長調・・・天の絢爛から慈悲までに響く
先だってレクイエムの歴史についての本を読んで、聴きたくてたまらなくなった幾つかの曲の音盤が、続々と届き始めた。
ネットで海外にしたもので、それらは注文先によってさまざまなパッケージ形態で届く。イギリスはイギリスらしく、カリフォルニアはカリフォルニアらしく、梱包や造作ができているからそれだけでも楽しい。
今朝の曲はゼレンカのレクイエム・ニ長調 ZW46。レクイエムの始まりがこんなに豪華絢爛なものはこれまで聴いたことがない。レクイエム・エテルナム。ヘンデル的なる金管が鳴り響く。しかしやがてクリステ・エレイソンになると、バッハ的なるソプラノの哀悼歌で、それはマタイ的でもある。
キリエはポリフォニーの美。最後はディエス・イレで冒頭の絢爛が遠く響き、すべてを俯瞰するかのように締括られる。
1679年生まれの、ボヘミアのバッハと呼ばれたゼレンカ。二人は互いに面識があったばかりか影響を与えあったそう。そういうことなど考えながら聴く、という楽しみが増えそうだ。