今朝の拙宅の朝食は、焼き餅入りお汁粉とけんちん汁。一昨日からキッチンの鍋に小豆がとろ火で掛かっていた理由が、ようやくわかった。
小豆は少し粒感が残っていて、だから汁感がある。ぼくの実家では、この状態をぜんざいと呼んでいた。しかしこういう単純に見える料理ほど、家々の味が違うものは無い。
今日のお汁粉の、粒感のあるなかに浮いているのは、表面に狐色の焦げ目がついた田舎餅で、中央部分が昭和新山のような状態になっている。思わず頬がほころぶ。さっそく箸の先で突いて穴を開ける。
すると空隙に、さらさらっと汁と小豆が雪崩のように流入していく。餅肌がヒタヒタになる前の、すこし乾きが残存している状態のものをつまみ上げ、早速頬張る。
小豆と汁はは砂糖と塩の按配もちょうどよく、餅はしんなり感とぱりばり感の共存。冬の朝の甘美なる囁きと戦いだ。