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音楽、小説、そして酒を愛する方々との空間です

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2012年のベスト3(音楽、小説、酒、映画、TVドラマ)
暮れも大晦日。今年こころに強く残った音楽、小説、酒、映画、TVドラマのそれぞれベスト3をここにまとめます。

■音楽
1. 庄司紗矢香のバッハとレーガー
曖昧なことをしていてはいけない、きちんと生きなければいけないと魂をゆさぶりかける、その峻厳な孤高の極み。
・収録曲:
 1)マックス・レーガー:プレリュードとフーガ in G minor Op.117 No.2
 2)J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 in G minor BWV1001
 3)レーガー:プレリュードとフーガ in B minor Op.117 No.1
 4)J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第1番 in G minor BWV1002
 5)レーガー:シャコンヌ in G minor Op.117 No.4
 6)J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティ―タ第2番 in D minor BVW 1004
・演奏:庄司紗矢香
・録音:2010.8.28, 31 @Chapelle de I’Enfant Jesus par Hugues Deschaux
・音盤:仏Mirare MIR128

2.オーケストラ・フィルハーモニカ・アルペ・アドリアによるペルゴレージのスターバト・マーテル
ペルゴレージが生まれたアドリア海にある演奏家たちが、彼の音楽のなかにある鄙びた空気と純真さ、そして柔らかい陽射しを伝えてくれる。
・収録曲:
 -ペルゴレージ/スターバト・マーテル
・演奏:
 -マリアンナ・プリッツォン(ソプラノ)
 -エレーナ・ボスカロル(メゾソプラノ)
 -ボデチャ・ネジャ女声合唱団
 -アルペ・アドリア・フィルハーモニー管弦楽団
 -ルイジ・ピストーレ(指揮)
・録音:2010年12月12日、ゴリツィア(イタリア)、フリウラーナ文化ホール、ライヴ
・音盤:イタリアVELUT LUNA、CVLD 219

3.イザベル・ファウスト/ダニエル・ハーディングのブラームスのヴァイオリン協奏曲
イザベルの凄みと溌剌さ、ワルターの響きを再現したかのハーディングに感服。
・収録曲:
 1)ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77
 2)同:弦楽六重奏曲 第2番 ト長調 Op.36
・演奏
1)イザベル・ファウスト(Vn)、ダニエル・ハーディング指揮/マーラー・チェンバー・オーケストラ
 2)イザベル・ファウスト(Vn)、ユリア=マリア・クレッツ(Vn)、ステファン・フェーラント、ポーリーヌ・ザクセ(Va)、クリストフ・リヒター、シェニア・ヤンコヴィチ(Vc)
・録音:2010年2月 ソシエダ・フィラルモニカ [1]/2010年9月 テルデックス・スタジオ [2]
・音盤:HMC-902075(ハルモニア・ムンディ)

■小説
1.『火山のもとに』(松家仁之、新潮社)
ストーリーと並行して、自分のなかに忘れていたとても大切な記憶が、すこしづつ滲みだしてくるが、それに気づかずにそのまましまっておきたくなる気分に包まれる小説。

2. 『楽園のカンヴァス』(原田マハ著、新潮社)
この小説には、通奏低音のように大切なメッセージが流れている。それは、『夢』であり、『夢を信じて生きる』ということの大切さと強さだ。

3.『埋れ木』(吉田健一、河出文庫)
吉田健一の最後の小説。いつものように何も起こらないが、この感覚は凄いし堪らない。

■酒
ことしも、ワイン、シャンパンなども含めて沢山の良い酒に出会いました。そのなかで、選ぶことを考えていたら、なぜか三つとも蒸留酒になりました。

1.ボタニスト
友人と銀座で初めて飲んだイギリスのアイラ島のドライ・ジン。アイラ島で取れた22種類を含む31種類のハーブ、スパイスなどのボタニカルをたくさん使っている。ローモンドスティル(ネック部分が円筒形、たくさんの穴が空いた3段の仕切り板がついている)という特殊蒸留器で3回蒸留。味は思いのほか淡白だけれども、そのなかの香草の味と香りを微妙に嗅ぎわけるにはもっと修行が必要だ。ボトルが格好よく、それだけで高級なる特別なものを飲んでいるような気分になれる。

2. テスコ(TESCO)のシングルモルト・ウイスキー(12年物)
近所にある英国系のスーパーマーケットで手に入る、同社ブランドのスペイサイドだ。そしてシングルモルトの12年物なのに、おっそろしく安い(とうとう1238円になった)。手を抜かぬ英国魂の仕上げで、もうもろ手を挙げて喜ぶしかない。このスーパーは来年、日本からの撤退をするような動きを見せているので、思い切って6本ほど買い溜めした。追加補充はできないということで、店からは、この酒は姿を消してしまった。

3.ガオリャン
コーリャンの蒸留酒で52~53度。白酒[パイチュウ]ともいう。中国出張でさんざん飲み、意識が飛ぶということを2回ほど経験した。しかし、だからもう金輪際飲みたくない、というのではなく、こんな旨い酒はめったに飲めないから、これからも機会があれば親しみたいと思うのがダブル吉田派(吉田健一、吉田類)の僕である。

■映画
1.『浮草』
小津安二郎が大映で撮った唯一の映画(1959年、カラー)。うらぶれた旅芸人一家の悲哀。とてつもないリアリズムだ。極めつけは、雨に濡れる深紅の葉鶏頭の花が予兆をさせる、土砂降りのなか、道を隔てて睨みあう駒十郎(二代目中村鴈治郎)とすみ子(京マチ子)の罵り合い。映画史に残る雨の中の名シーンだと思う。若尾文子の美しさにも、しばし口が開いたままになる。

2. 『ミラノ、愛に生きる』
ルカ・グァダニーノ監督、ティルダ・スゥインストン主演、2009年イタリア映画。心情が映像で表現されてゆく。普通であれば取るに足りない空間、空や草木、虫、料理の盛り付けの中に光る海老、唇を捉え、孤独感、眩しさ、儚さ、追憶、官能を描写する。

3. 『ALWAYS 三丁目の夕日'64』
山崎貴監督、出演:吉岡秀隆、堀北真希、堤真一、薬師丸ひろ子、小雪、2012年、東宝。基本的にこのシリーズが好きで、僕にとっての昭和のあのころのこと、幾つかのシーンが重なるように思い出される。高層ビルが無い東京を照らす夕日の美しいことよ。

■TVドラマ
今年はTVドラマの当たり年ではなかったようだ。しかし、そのなかで選んでみると次のようになる。

1.『運命の人』(TBS)
真木よう子の、うつろうような眼差しやその演技が光った。

2. 『もう一度君に、プロポーズ』(TBS)
和久井映見を観続けていられるだけで、嬉しい。

3.『純と愛』(NHK、現在放映中)
風間俊介の暗い演技が秀逸。彼は後半のドラマのなかで何をしていくだろうか。

来年も、どうぞよろしくお願いします。
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by k_hankichi | 2012-12-31 15:10 | クラシック音楽 | Trackback | Comments(2)
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Commented by maru33340 at 2013-01-01 08:46
やはり2012年の「浮草」の発見は大きな衝撃でした。
今年もよろしく!
Commented by k_hankichi at 2013-01-01 11:27
はい、いつも瑞々しい目線で!今年もよろしくお願いします。