『ねらわれた学園』の音楽とシューベルトの未完成の関係
角川映画『ねらわれた学園』(大林宣彦監督、1981年、原作:眉村卓)を今日のMXテレビでやっていて、薬師丸ひろ子の初々しさに久々に触れた。三田村由香を演じる薬師丸は別格に可愛いのだが、敵役の高見沢みちるを演じる長谷川真砂美も端正な姿だ。二人はそれぞれが超能力をもつ。三田村は正義を向けての熾烈な戦いに挑んでいく。
さて、映画のほかに何がよいかといえば、音楽だ。主題歌は松任谷由実の「守ってあげたい」であり、ドラマのなかで挿入される曲は、シューベルトの交響曲第8番『未完成』の第1楽章を模している。金星人役の峰岸徹が、ピアノでシューベルトのようなショパンのような曲も弾いており、これは何の曲なのかはまだわからない。
挿入曲の由来は、ストーリーの中で諭された「永遠の未完成、これ完成なり」という亡き祖父の言葉が反映されていると推測した。
“一日一日しっかり自分をみつめて生きて行けばそれでいい。毎日毎日、その一日を一生懸命生き抜いていけば、それは結局明日に繋がり、人生は充実してするって意味だ”、と父親から説明されていた。
新宿中央公園が盛りだくさんに出てきて(富士見台の六角堂なども)、あのころの新宿のありようがなつかしく蘇る。西口に「ぼるが」という居酒屋があって、友人らとよく訪れてくだを巻いたことを思い出した。