あれから11年。これからも思い出し続け、年月を思いやる。
2001年9月11日のあの時、あの時間に僕は仕事から家に帰った頃で、録画で飛行機がビルに突っ込んだシーンが何度も放映されていた。はじめは特撮かと思った。
そして二機目が隣のビルに突っ込む。その瞬間、それが虚構ではない酷い現実であることを、ようやっと理解し、絶句した。
あのときの感覚は、今でもよく覚えている。
あれから11年。これからも毎年必ず思い出し続けるだろう。胸元から何かがえぐられるような非常なる不安な感覚を。
年月の数をかぞえなおし、その間に起きた物事、通り過ぎた物事を思いやり、いまここに生きていること、その何ともいえぬる感慨が寄せてくるだろう。太宰的な功罪の意識とともに。