典型的な梅雨空。鬱陶しいなあと普通は考える人が多かろう。しかし梅雨が、その時その後に水稲や植物にあたえる恵みを考えれば、それは天からの賜物だ。
僕は梅雨空や、雨にふれるとき、ふと小学生の小さきころの登下校を思い出す。友達と一緒に、そして時には一人で。
雨の雫が溜まる木々の葉に、思わず傘の先を当てて払い落としたり。
水溜まりにわざと入り込んだり、雨蛙を追い込んだり。
人の家の庭で奇妙な形の茎をもつ植物を盗んだり。二度目にはその家の主人に捕らえられ、こっぴどく叱られたり。
そんな今朝の音楽は、ドビュッシーの12の練習曲(青柳いずみこ)。雨音にしっとりと寄り添う旋律だ。