また出張なのだが、その途中に『世界クッキー』(川上未映子、文春文庫)を読んだ。エッセイだ。やはり、とても心に沁み入る。
たとえば、「個性」とはなにか、ということについての極めてしみじみとした発見の具合がよい。
“それは「まず個性的であれ!」という風潮が支える運動からは決して出て来るものではなく、自分が何でもないものなのだと、社会を通して知る所から始まるものでしかありません。そのときに初めて、「個性的であること」が良いことなのかどうなのかを考えて叫んだって全然遅くないと思うのだけど、どうでしょうか。”
川上さんのような個性のかたから、こういってくれるだけでも、なにか、そうなんだよなあ・・・と思うのだ。