仕事をしているとき、姿勢が良いですね、と良くいわれる。仕事に取り組むスタンスのことではない。ただ単に椅子に座っている姿勢のことである。
姿勢良くしようとしているのではなく、垂直に椅子の背面に背中をくっつけ、それと直角に腰を座面におしつけることが心地よいだけだ。そのほうが、パソコンを直視することが容易でかつキーボードのタッチも軽快となる。ついでに言えば、ディスプレイもノートブック型PCから外付けし、頭を上げて、それにほぼ平行にするように見つめるほうが快適だ。畳のうえでは正座をきちんとし続けられないけれども、椅子の上ではそれが心地よい。
周囲のメンバーをみると、たしかに、だいぶんそっくり返って椅子に座っていたり(もちろん椅子の背面をググッとリクライニングさせている)、椅子に埋没するように沈みこんでいたり、逆に背中を丸めて仕事をしていたりなどいろいろ。その姿勢でいると、じきに嫌になってしまいませんか、と尋ねたくなるが、もちろん、訝しがられるだけだろうからやめておく。しかし、きっと、だるくなったり飽きがきたりしてしまうにちがいないと僕は睨んでいる。
この姿勢。職場だけでなく、電車のなかでもそうしていることが多い。東海道線の通勤電車のように正対した座席に垂直に座ると、ほっとする。
椅子の文化の先進は欧州。これから、かの地に向かう。垂直と直角のノイエザハリッヒカイトの国だ。